2004 Fiscal Year Annual Research Report
絶縁チューブ包覆金属線による難加工点での微小金属放電掘削,溶接及び成膜技術の開発
Project/Area Number |
16760098
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
熊谷 誠治 秋田県立大学, システム科学技術学部, 助手 (00363739)
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Keywords | 放電加工 / 金属加工 / 掘削 / 深穴 / 溶接 / 成膜 / 難加工点 |
Research Abstract |
金属加工分野において、本国が成長著しいアジア諸国に負けず生産性を維持するためには、高度で差別化された技術を創生し続けなければならない。絶縁チューブに包覆された金属線を電極とし、チューブと金属線の間に液体と気体が流動できるシステムに構築する。直径0.1〜数mmの金属線とkHzオーダのパルス電流を利用して,被削物金属と金属線の間に放電を発生させ、0.1〜数mm範囲での微小掘削、溶接、成膜を実現させる. 本年度は、絶縁チューブと金属線電極の間に液体を流動させるシステムを構築した。それにより、水道水を加工液として用いて、非常に難度の高い深穴(高アスペクト比穴)加工を成功させた。本システムで可能な限りの細い絶縁チューブとタングステン線を使用して、直径0.8mm、深さ150mm(アスペクト比:200以上)の深穴を金属に対して加工できた。放電電流パルス幅や金属線の加工時の制御方法に対しても最適化を行い、加工速度の向上も図れた。 しかしながら、市販の放電加工機に比べると、アスペクト比は高く得られるが、加工速度は高くないため、新しい方法での大幅な加工速度向上を目指した。本システムによる深穴加工の場合、加工穴の直径は絶縁チューブ外径以上でなければならず、放電領域を広げて、掘削する体積を増加せねばならない。そこで0.1wt%以下の塩を水道水に添加し、若干の導電性を水道水に与え、被削物金属と金属線電極の間に高容量のコンデンサを並列に付加した。このことにより、深穴加工速度が劇的に上昇することを発見した。塩水とコンデンサを使用しない場合と比較して、2倍以上の深穴加工速度を実現できた。
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