2004 Fiscal Year Annual Research Report
非線形光学結晶の機能を最大にする超精密加工法の開発と光学特性の評価
Project/Area Number |
16760099
|
Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
佐伯 守彦 中部大学, 工学部, 助教授 (10284738)
|
Keywords | 非線形光学結晶 / 位相整合条件 / 角度許容幅 / 超精密切削 / 結晶方位 / 透過率 |
Research Abstract |
非線形光学結晶はレーザの波長変換素子に用いられる材料である.非線形光学結晶を波長変換素子として用いる場合,最適な結晶方位(位相整合方向)にレーザを透過させて使用するため表面状態が悪いと散乱が大きくなり変換効率が極端に低下する.また,非線形光学結晶はこの位相整合方向に対する角度許容幅が数秒〜数十秒と非常に小さいため,角度誤差を極力小さくすることが望まれるが,結晶の加工は一般に素材の切出しと光学面の創成が別々の装置で行われるため,角度誤差を0.1°程度にしかできないのが現状である.そこで本研究では,結晶に1/1000°の精度で角度変化を与える機構を組み込んだ超精密加工装置を製作すると共にその装置上にレーザ光学系を搭載することで光学面に仕上げた結晶を取り外すことなく波長変換特性を測定することを可能にした.本年度はこの超精密加工装置を用いた研究を実施し,以下に示すような研究成果を得た. 1)超精密加工装置を用いて非線形光学結晶の一つであるチエニルカルコンの最適加工条件を検討した.従来は乾式切削で行っていたが,装置を改造することで純水をミスト状に供給する湿式切削が行えるようになった.これにより乾式切削した面よりも加工精度が向上した. 2)透過率を評価するために島津製作所製の分光光度計UV-1650を導入し,本研究で加工した非線形光学結晶の評価ができるように改造した. 3)本研究で加工した非線形光学結晶について透過率の測定を行い,加工精度の違いにより透過率に違いが生じることが明らかとなった.
|