2004 Fiscal Year Annual Research Report
直径10μm以下のマイクロプラズマジェットによる常温常圧基板超微細加工技術
Project/Area Number |
16760103
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
清水 禎樹 独立行政法人産業技術総合研究所, 界面ナノアーキテクトニクス研究センター, 研究員 (20371049)
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Keywords | マイクロプラズマ / 大気圧プラズマ / ワイヤー溶射 / 誘導結合型 / オンサイトデポジション / 金属酸化物溶射 / マイクロパターニング / プラズマ加工技術 |
Research Abstract |
本年度は(1)直径10μm以下の大気圧マイクロプラズマジェット安定発生技術の開発、(2)常温常圧下での、直径10μm以下の極微小領域エッチング技術の開発、(3)大気圧マイクロプラズマジェットを利用した金属ワイヤーメルト溶射法の開発、(4)前記(1)〜(3)の開発技術を利用した、基板上への微細パターン形成技術の開発、の4テーマに関する研究開発を進めてきた。これらの中で(2)の研究は、様々試みてはみたものの然程うまくいかず、結局エッチング技術の開発には至らなかった。しかしながら(1)、(3)の研究は具体的な数値目標には至らなかったものの着実に進展し、これらを組み合わせた技術である(4)の基礎技術の開発に成功した。具体的な成果を以下に示す。 従来技術の限界であった直径20μmのマイクロプラズヤサイズをさらに微小化を図り、プラズマへの高周波印加効率の向上を図った。そのために、高周波マッチング回路の設計および、微小キャピラリーをソレノイドコイルの中心に配置させるための石英ジャケットを開発した。これらの開発により、キャピラリーサイズの微小化に伴う高周波伝播効率の低下を抑えることに成功し、直径15μmの大気圧マイクロプラズマジェットの発生に成功した。このマイクロプラズマを利用し、予めプラズマ発生ノズル内に挿入しておいた金属ワイヤーをプラズマからの熱および高周波による誘導加熱で溶かし、プラズマガスの流れとともにプラズマノズルから噴出させ、下流に設置した高分子基板上の約10μmの領域のみに、金属酸化物をデポジションさせることにも成功した。また下流に設置した基板をプロセス中に移動させることで、基板上に数十μm幅のラインパターンを描く技術の開発に成功した。 これら開発に成功した技術を国際論文誌に投稿し、掲載されることが決まった。また特許の申請にも至った。
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