2005 Fiscal Year Annual Research Report
ナノバブル援用によるすベり案内の高性能化に関する研究
Project/Area Number |
16760110
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
上原 一剛 鳥取大学, 大学院工学研究科, 助手 (10324998)
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Keywords | すべり案内 / 摺動摩擦係数 / 表面粗さ / 摺動速度 / 気泡 / 微小粒子 / 摺動液 / 動粘度 |
Research Abstract |
ナノバブルを援用した高性能すべり案内の開発を目的として,摺動油にナノバブルやナノ粒子を添加することによってすべり案内の境界潤滑領域における低摺動摩擦係数化について検討した結果,本年度は以下に示す研究成果が得られた. 昨年度の研究成果に基づき,摺動液中に高硬度微小粒子を添加したすべり案内の摺動特性について検討するとともに,摺動面の表面粗さとナノ粒子の直径との影響について実験的に調べた.その結果,ナノ粒子の直径がそれぞれの摺動面の表面粗さの最大高さの和に比べて小さい場合であれば,摺動摩擦係数の摺動速度依存性は小さいことを明らかにした.また,低高度微小粒子を添加した摺動液を用いてすべり案内の摺動摩擦特性を明らかにした. つぎに,すべり要素と転がり要素を併用したハイブリッド型の高性能すべり直動案内を試作し,その摺動摩擦係数に及ぼす摺動速度の影響を調べるとともに,すべり要素として用いた微小粒子の粒径が摺動摩擦係数に及ぼす影響について明らかにした.この直動案内であれば,摺動中に摺動面間の直接接触が防止できるため,従来のすべり直動案内のような境界潤滑域での摺動摩擦係数の顕著な増大は見られなかった.また,ころがり要素として用いた微小粒子の直径を変更することにより摺動面問距離を調整することができる.摺動摩擦試験の結果,この試作した直動案内の摺動摩擦係数は摺動速度依存性が小さく,またその値も小さいことを明らかにした. さらに,すべり案内の位置決め精度向上を目的として摺動面間に形成される潤滑油膜の油膜圧力について数値シミュレーションを行い,摺動面の形状が摺動面間の潤滑油膜圧力および潤滑油漏れ量に及ぼす影響について数値シミュレーション結果から明らかにした.これらの結果は,摺動油にナノ粒子を添加する場合の摺動面形状を最適化するための資料として利用できる.
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