• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2004 Fiscal Year Annual Research Report

人工軟骨候補材料の蛋白質境界膜による低摩耗化のメカニズムの解明と潤滑液の最適設計

Research Project

Project/Area Number 16760112
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

中嶋 和弘  九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (70315109)

Keywords人工軟骨 / 低摩耗化 / 蛋白質吸着膜
Research Abstract

人工軟骨候補材料のpoly(vinyl alcohol)hydrogel(PVAハイドロゲル)-ガラス平板を摩擦させることにより,表面上に吸着した蛋白質膜を蛍光染色を通して観察を行った.潤滑液に生体関節液に含まれるアルブミンとγ-グロブリンを種々の条件で添加し,それぞれの摩擦摩耗に対する役割について調査を行った.アルブミンはγ-グロブリンと比較し吸着力が弱いため,低せん断層を形成することで低摩擦を,γ-グロブリンは摩擦面材料に強固に吸着するため摩耗保護の機能を持つと考えられた.低摩耗を示した蛋白質総濃度2.1wt%アルブミン/γ-グロブリン比(AG比)2/1の潤滑液条件では,潤滑液に含まれる蛋白質であるアルブミンとγ-グロブリンは摩擦面表面上で交互に層状構造を形成し,それぞれが機能的に作用することで低摩擦と低摩耗を両立させていることが明らかとなった.この機能的な蛋白質潤滑膜を摩擦面上に形成させることによりPVAハイドロゲルの低摩耗化が実現可能である.また,摩耗が観察されたAG比1/1の潤滑液条件ではそれぞれの蛋白質は層状構造を成すものの摩耗保護の機能をもつγ-グロブリンの吸着量が吸着膜下層においてAG比2/1よりも少なく,アルブミンの濃度がAG比2/1よりも小さいためアルブミンによる低せん断層も薄いことが観察された.このために摩耗が進行したと考えられた.さらに,蛋白質を添加することにより摩耗が増加する条件(蛋白質総濃度2.8wt%,AG比1/1)では吸着蛋白質は層状構造を形成せず,明確にアルブミンとγ-グロブリンが相分離した状態で吸着していた.このためアルブミンによる低せん断層もγ-グロブリンによる摩耗保護層も機能することなく逆に凝着による摩耗が進行したと思われた.

  • Research Products

    (2 results)

All 2004

All Journal Article (2 results)

  • [Journal Article] 人工軟骨候補材料ポリビニルアルコールハイドロゲルの摩耗評価及び耐摩耗性向上に寄与する蛋白質の影響2004

    • Author(s)
      中嶋 和弘ら
    • Journal Title

      日本機械学会論文集、C編 70巻、697号

      Pages: 2780-2787

  • [Journal Article] 人工軟骨候補材料の摩耗に及ぼす蛋白質吸着膜の影響(第2報)2004

    • Author(s)
      中嶋 和弘ら
    • Journal Title

      日本臨床バイオメカニクス学会誌 vol.25

      Pages: 117-121

URL: 

Published: 2006-07-12   Modified: 2016-04-21  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi