2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16760114
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Research Institution | Ishikawa National College of Technology |
Principal Investigator |
堀 純也 石川工業高等専門学校, 機械工学科, 講師 (80311017)
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Keywords | 巻糸体 / 圧縮荷重 / 繊維 / ボビン / ビーム / バレル / 糸層 |
Research Abstract |
ボビンやワープビームなど繊維産業で糸を巻糸体形状に形成する場面は多くある.本研究では様々な機械的性質を持つ糸を巻き取る時に,張力やドラフト比,トラバース速度などの巻き取り条件が巻糸体芯筒や内層の糸に及ぼす力学的な影響の解明と,糸ごとに最適な巻き取り条件を設定するための技術的な根拠の提示を目的とする.成果として張力過多によるボビンやワープビームの変形事故および糸の品質劣化を巻糸体形成の計画段階から防止と,生産性向上への寄与が期待できる. 平成16年度は,実験装置の設計製作と,実験で用いる糸の物性データの蓄積を中心に研究を実施した.主な成果として,(1)送出・巻き取り・トラバースに個別のサーボアクチュエータを用いたプログラマブル制御駆動方式により,巻き取り条件を自在に設定することのできるモデルワインダの試作を行った.(2)ボビン芯筒の半径方向圧縮力を測定するために,測定用のモデルボビンを製作し,巻糸体形成中に加わる圧縮力を巻き取り中も常時計測した.(3)万能試験機を用い,巻糸体を形成するスパンデックス糸の機械的性質を把握し,データの蓄積を行った.スパンデックス糸は,ナイロン糸などに比べひずみが大きく,張力の緩和も大きいことがわかった,(4)モデルボビンに糸を巻き取る行程で,内層の糸層の上に外層の糸が累積することで発生する糸層の変位を測定するために,透明なフランジを持つボビンを製作し写真撮影による方法で直接計測した.糸層は外層の糸による圧縮力を受けて巻糸体の中心方向に変位しており,スパンデックス巻糸体では糸層のひずみが10%ほどあることがわかった.(5)実験の過程で,従来は小さいと考えられていたフランジに対する荷重が,スパンデックスを巻き取った場合には極端に大きくなることがわかった.
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Research Products
(1 results)