2004 Fiscal Year Annual Research Report
対話的進化計算法の利用による概念設計支援(形状発想を例として)
Project/Area Number |
16760115
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Research Institution | Nara National College of Technology |
Principal Investigator |
平 俊男 独立行政法人国立高等専門学校機構奈良工業高等専門学校, 機械工学科, 助教授 (60280426)
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Keywords | 形状発想支援 / 概念設計支援 / 対話的進化計算法 |
Research Abstract |
本研究では,形状発想を例にとり,感性的な要求と力学的な要求とを同時に満たす形状を人間とともに対話的に生成していく支援システムの構築を目的とした.まず,回転対称な容器形状を例にとり,断面曲線の曲率半径の推移に基づき形状を表現することを試みた.また,人間の発想過程は,形状を部分的に置換することや一部を変更することで行われていると考えられるので,それを模擬し,既存の事例にみられる様々な形状を設計事例ベースとして整理し,事例形状に対する交叉や突然変異などの遺伝アルゴリズム的な操作による子個体群の生成手法を検討した.生成された子個体は,利用者に対する提示による対話的な選択(主観的な評価)と,構造解析によって定まる力学的な評価によって序列付けられており,次世代への世代更新の際に個体適合度として反映される.この繰返しによる形状候補提示の枠組を示した. このケーススタディにより,遺伝的操作によって,設計者が想起する既存の事例と類似ではあるが新たな形状を生成できることを確かめ,多様な形状候補の示唆によって利用者の発想を支援できることを確認した.また,形状候補に対する設計者の主観的選択には,形状の力学的妥当性などの客観的評価尺度が暗黙的に含まれていることを明らかにした. ここで示した枠組は,デザイナがデザイン・ブックや他者の作例を見ることによって刺激を受け,自分自身のデザインを確立していくような過程の延長に,コンピュータを介在させたものと考えることができる.今年度は,この枠組の予備的検証段階であったが,形態と機能がより密接に関連する設計問題に対する応用を現在検討中である.
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