2004 Fiscal Year Annual Research Report
超長期時間スケール地球シミュレータ構築に関する基礎的研究
Project/Area Number |
16760116
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
若嶋 振一郎 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90333864)
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Keywords | 数値気候モデリング / 地球温暖化 / 大気大循環モデル / 海洋大循環モデル / 数値流体力学 |
Research Abstract |
本年度では,超長期間に亘る数値積分を効率良く実行できる新しい数値地球気候モデルの開発を行った。 実施に当たっては、主に以下の2点を中心に研究を行った。 1 数値気候モデル全体の高速化 時間積分および球座標系計算格子における反復解法の部分の数値計算手順において、数値計算上のボトルネックの発見およびさらなる計算効率の改善を目指した。具体的には、大気力学過程の鉛直方向の計算に直接解法を導入し、計算速度と安定性の向上を図った。また、実際に1000年間の数値積分を行い、高速数値計算法(タイムスペース法:TSM)の効果の評価、および全球結合数値モデル、大気大循環モデル(AGCM)、海洋大循環モデル(OGCM)などにおいての個々の数値気候モデルの性能試験を行った。 2 3次元数値気候モデルとしての現状再現性能の向上 熱・物質・運動量の保存性の観点から,超長期(数1000年〜10000年)の時間積分に耐えうるよう、主に離散化手法(フラックスの計算手法等)と、数値気候モデルに含まれる各種物理過程の導入手法を見直し、数値気候モデルの現状再現性能のさらなる改良を行った。具体的には、これまでの離散化手順を有限体積法ベースとした計算格子界面でのフラックスを厳密に評価する手法に変更し、質量保存、エネルギー保存が成り立つよう改良を行った。また、基本的な物理過程(乱流拡散・混合過程、ふく射、地表面過程、相変化過程等)に含まれる各種パラメータのチューニングを行い、実際に数値計算を行って数値気候モデルとしての現状再現性の向上を図った。
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