2004 Fiscal Year Annual Research Report
壁面上乱流境界層の乱流構造と二次流れ発生メカニズムの解明
Project/Area Number |
16760126
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長田 孝二 京都大学, 工学研究科, 講師 (50274501)
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Keywords | 壁面上乱流境界層 / 壁面ブロック効果 / 二次流れ / 線形解析 / 三次元直接数値計算 |
Research Abstract |
等方性乱流および軸対称非等方性乱流と壁面ブロック効果によって形成される壁面上乱流境界層の乱流構造をRapid Distortion Theory(RDT)と呼ぶ線形理論解析手法と境界層理論を用いて明らかにした.さらに,軸対称非等方性乱流と壁面のブロック効果によって,平板上でも二次流れが発生し得ることを理論的に予測した.これまで,本メカニズムによる二次流れの発生を予測した研究は皆無であり,乱流のモデル化においても重要な知見であると考えられる.また,本理論解析においては乱流の非等方性を決定するパラメータを様々に変化させて解析を行うことが可能であるので,二次流れ発生に対する乱流の諸特性の影響を調べた.線形理論解析に加えて,等方性乱流および軸対称非等方性乱流の壁面ブロック効果を調べるための,新たな三次元直接数値計算(DNS)手法を開発した.従来のDNSにおける定常乱流の生成は波数空間で行われているため,コーナー部を有する壁面上の乱流にその手法を適用することは困難である.また,従来の方法では,任意の非等方性乱流を生成することも容易ではない、そこで,本研究では,Townsendのモデル渦と呼ばれる回転渦を計算領域内にランダムに多数配置し,その渦によってフォーシングを行う手法を開発した.その手法により,定常の等方性乱流および軸対称乱流を生成できることを確認した.さらに,理論解析および直接数値計算を検証するための実験装置の作成を行った。ボックスの上部に設置した乱流格子を振動させることにより,ボックス内に定常の乱流を発生させた.従来型の格子を用いることにより等方性乱流を,穴あきプレートを用いることにより軸対称乱流を発生させた.本年度は,ボックス内乱流の諸特性の評価を行った.
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