2005 Fiscal Year Annual Research Report
粒子間力の存在する固気流動層内の気泡発生・発達の理論的・数値的解析
Project/Area Number |
16760128
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
竹内 伸太郎 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50372628)
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Keywords | 固気流動層 / 粒子間力 / 気泡 / 安定性解析 / 埋め込み境界法 |
Research Abstract |
固体と気体が入り乱れて存在する流動場(固気二相流)は,工業プラントや製薬,加工,気象などの幅広い分野に,様々なスケールをもって現れる。粒子の形状は一般に非球形で、その幾何学的条件が流れ場に与える影響は小さくない。このため自由運動する非球形粒子周りの流れは工学的および実用的な観点から関心が高いが,これまでその研究は理論的・実験的にも十分であるとはいえない。 本研究ではまず、流れ場と非球形粒子の自由運動の相互作用という問題について、粒子運動の安定性について数値的に解析した。用いられたコードには、独自に提案した座標変換法およびそれに適した一般化境界条件と流量補正法を用いており、予備的に行った球周りの流れ解析では、空間非対象性および間欠性をもつ渦のモードを妥当に予測できる事を示した。解析の結果、以下の結論を得た。回転楕円体でモデル化された非球形粒子の運動は、アスペクト比α(長軸/短軸)=1の場合のみが漸近安定で、運動姿勢の不安定化が起こる際の時間増幅率は、αのn乗に比例して増加することを示した。その後、定常運動に移行した回転楕円体は、アスペクト比ごとに固有の振動モードで揺動し、後流にもそれに対応する固有の構造(固有モード)を持っていることを確かめた。初期の運動状態から定常状態に至るまでの粒子の軌跡を調べたところ、アスペクト比によらずお互いに相似な軌跡であることを見出し相似式を得た。さらに、運動中の粒子にはたらく流体力についても調べ、無次元化流体力に粒子の幾何学的無次元数を乗じたものは、運動速さとの間に強い相関を持つことを確かめた。以上の結果は、流れ場の構造と粒子運動の相互作用を、粒子の幾何学情報で結びつける成果であり,幅広いスケールに渡って粒子を含む流れ場の階層構造を明らかにする上で重要な知見である。また報告者は,さらに複雑形状物体の周りの流れを高解像度で解析するために数理的な検討を加え、複数相の相互作用力を表現する一般化された相互作用形式を導出した。
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