2004 Fiscal Year Annual Research Report
旋回型ノズルへの不均一流入が及ぼす液体微粒化初期段階の低周波脈動現象に関する研究
Project/Area Number |
16760131
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松下 大介 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (60284535)
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Keywords | 旋回型ノズル / 定電流法 / ホールドアップ計測 |
Research Abstract |
本研究は,複数流入路を有する旋回型ノズルにおいて生じる流入不均一に伴う低周波数の気柱変動現象に着目し,従来の可視化などの光学計測では把握できない旋回方向の液膜変動を計測する手法の開発と高応答性の圧力変動計測を行い,液体微粒化への寄与を定量的に評価することを目的としており,本年度は以下の知見を得た. 超小型圧力センサをノズル流入路壁面に配置できるようにノズルを加工し,高応答性での圧力変動計測が可能となった.次年度予定の定電圧法による流量計測との組み合わせにより流入不均一による圧力および流量変動現象に対する周波数解析を行う. 次にノズル出口部の気柱(液膜)変動を詳細に計測するための定電流法を改良した手法を確立した.従来の定電流法では断面平均ホールドアップ計測のみ可能であったため,基板技術により電極配置を変更し局所計測を可能とした.また本年度購入したトランジスタのスイッチング方式の定電流電源が,真空管式の電源に比べて実用可能な十分な精度と応答性で定電流を維持できることを確認した.これによりノズルの軸方向および旋回方向の液膜変動を定量的に計測できることとなった.本年度は局所電極配置に伴う電流量の漏れや電極間距離の縮小による電流密度の不安定などを調査し,変動現象(波速度)を定量的に捉えることができることと,詳細な検定を行うことで液膜厚さ計測および変動現象の把握ができることを示した.また,高速度カメラによる可視化との同時計測を行い,両手法による液膜厚さ計測が時間平均値においては誤差0.2%程度の良好な一致を示すことと,比較的低周波数の膜液膜厚さ変動現象が一致することを確認した.また本年度設計した基板電極配置によれば,旋回による環状流において直径の80%以下の範囲において液膜厚さ計測において十分な精度を有することを示した.
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