2004 Fiscal Year Annual Research Report
機能を付加した柔軟壁による抵抗減少効果に関する研究
Project/Area Number |
16760134
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
小方 聡 東京都立大学, 工学研究科, 助手 (50315751)
|
Keywords | 抵抗減少効果 / 外部流 / 境界層 / 速度分布 / 摩擦抗力 / 柔軟壁 / レイノルズ応力 |
Research Abstract |
流体の流動における抵抗を減少させる方法には様々な種類がある.従来,層流域と乱流域の抵抗減少手法は,それを実現するためのメカニズムがまったく異なる為,同時に実現することは不可能とされてきた.このように現在の抵抗低減手法は非常に限られた流れの条件でしかその効果を発揮しないため,それらの工業的実用化の範囲を狭めている.よって,層流・乱流に依存しない抵抗減少手法を得ることが出来れば,その効果の応用範囲が飛躍的に広がると考えられる.一方,柔軟壁は乱流域での抵抗を減少させる効果をもつという興味深い報告がある.この柔軟壁に関する研究はまだ不明な点が多いが,他の抵抗低減手法を表面に付加することが可能で,その結果,層流・乱流両域で抵抗減少効果を生じさせることが出来ると考えられる.本研究の目的は,柔軟壁に他の抵抗低減機能を付加することで,層流・乱流両域の広範囲の流れに対し抵抗減少効果を有する新しい壁面を創生することである. 今年度は柔軟壁による抵抗減少効果のメカニズムに関連して,柔軟壁のどのような物性が乱流境界層流れに影響を及ぼすか実験的に明らかにした.実験に用いた柔軟壁は三種類で,ヤング率が1.5MPa,2.45MPaのシリコン樹脂製のものと,ヤング率が2.6MPaの天然ゴムである.実験は、供試柔軟壁を表面に付した平板上の速度分布測定をPIVで測定した.さらに,境界層パラメータである排除厚さ,運動量厚さ,形状係数を求めた.その結果,板厚10mm,ヤング率1.5MPaの柔軟壁において,約9.1%の抵抗減少効果を明らかにした.また,抵抗減少効果は柔軟壁のヤング率だけではなく,主流速度及び板厚に依存する.それら抵抗減少効果は柔軟壁近傍の速度変動の値が非常に小さくなるために生ずることが明らかになった.
|
Research Products
(1 results)