2004 Fiscal Year Annual Research Report
数値流体解析を用いたスクイーズフィルム効果発生機構の解明
Project/Area Number |
16760137
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
戸田 和之 東京理科大学, 工学部, 助手 (00318221)
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Keywords | 数値流体力学 / 圧縮性流れ / 重合格子法 / 移動境界問題 / スクイーズフィルム / 膜圧理論 / 放射圧理論 |
Research Abstract |
本研究は、超音波振動により生じるスクイーズフィルムを対象として、10ミクロンオーダの隙間内、および周囲場に対して厳密な圧縮性ナビエ・ストークス方程式を解くことにより、非定常振動流現象を明らかにするために行われたものである。 圧縮性流体の支配方程式として、質量、運動量、全エネルギの保存式を用い、有限差分法による計算コードを作成する。空間差分には非粘性項に3次精度のTVDスキームを、その他の項に2次精度中心差分を採用し、また、時間積分法に3次精度のルンゲ・クッタスキームを適用することにより、計算精度を確保する。さらに、全てを倍精度で計算することによって、広いマッハ数域を持つ流れに適応させる。振動板の表現には、振動板と浮揚物体に追従する2つの独立した座標系を考え、それぞれの座標系に構造格子を配す。これら両格子上の計算情報は重合格子法を導入することにより、境界面において伝達が行われる。 本年度はスクイーズフィルムの特徴的な現象である浮揚力、物体位置回復力の発生といった現象の再現性に焦点を絞って基本計算コードを作成した。研究の第一段階として、浮揚物体が振動板から突出することなく垂直に位置する場合を対象に計算を実行し、妥当な浮上力を得た。つづいて、浮上物体が振動版から突出したケースの計算を行った。この計算によって、スクイーズフィルム効果により物体には回復方向への力が働くことを実証し、さらにこの回復力はフィルム側面から周期的に発生する非対称な圧力波に起因することを明らかにした。これらの結果より、本年度作成した基本コードがスクイーズフィルム効果を妥当に再現していることが示された。
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