2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16760139
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
松本 亮介 関西大学, 工学部, 専任講師 (50268314)
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Keywords | マイクロ・ミキサー / 電場 / 混合制御 / 2色素誘起蛍光法 / マイクロPIV / PDMS / 電気浸透流 / マイクロ流体システム |
Research Abstract |
本研究では,マイクロスケールオーダーの微小流路(マイクロチャンネル)に電場をかけることにより,流れの不安定を誘起し,2流体の界面面積の増加・制御を行い,混合を促進・制御を行うマイクロ・ミキサーの開発を行う.本年度は当初の計画通り,以下の3項目について実施した.詳細を以下に記す. 1.マイクロ・ミキサーチップの設計・製作 PDMS樹脂チップ上に,幅100μm×深さ50μmのYジャンクション・マイクロチャンネルを成形した.当初の計画では,流れと垂直方向に交流の電場を印加する予定であったが,流れの数値計算から,電場が流れに与える影響は不十分であることが判明した.そこで流れ方向に電場を印加し,Yジャンクションの出口と2つの入口間で交互に電場をかけることにより,ジャンクション部に2種の流体が交互に流入し,2流体の界面積の増加,制御を行うことができる手法を試みることとした. 2.速度場および濃度分布計測システムの構築 顕微鏡と高解像度CCDカメラの組み合わせにより,マイクロチャンネルのPIV(粒子画像速度計測)のシステムを構築した.また,ローダミンBとDAPIの2種の色素をそれぞれの流体に微小濃度で添加し,特注の2波長検出フィルターシステムを用いた誘起蛍光法により,2流体の濃度場分布を定量的に同時に計測するシステムを構築した.本手法は論文(ExHFT-6およびExperimental in Fluids)にて発表した. 3.マイクロ・ミキサーの電場による混合促進の確認 Yジャンクション・マイクロチャンネルに0.5Hz,208V/cmの電場を印加することにより,2流体の界面の増加が定性的に確認され,本研究の正当性が確認された.混合の最適化には,ジャンクション部の角度の調整,そして流体に酸化カリウムの添加によるオン濃度の調整が今後必要である.本項目の結果は,論文(ExHFT-6)にて発表した.
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Research Products
(2 results)