2004 Fiscal Year Annual Research Report
磁気熱量効果を利用した低環境負荷型冷却システムの構築とその最適化
Project/Area Number |
16760146
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
川南 剛 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20281793)
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Keywords | 常温磁気冷凍機 / 磁気熱量効果 / 永久磁石 / 低環境負荷 |
Research Abstract |
1.熱移動特性を検討するための実験装置の製作 繰り返し吸発熱を繰り返す磁性材料の熱移動特性を検討するための実験装置を制作した.本実験装置は主に,永久磁石を用いた磁気回路,磁性体を封入し熱媒体(流体)と熱交換を行わせるための熱交換部,磁性体の温度変化を高温側と低温側に振り分けるための熱スイッチ,熱媒体循環系,および各測定系から構成されている.磁気回路は,ネオジウム系永久磁石を一定の間隔をあけて閉回路とした構造となっており,その間には磁性材料が封入された試験セルを10列に配置した試験部が設置されている.また,磁気回路は電動スライダー上に設置されており,あらかじめ設定された周期および振幅の往復運動をすることにより磁性体に付与する磁場を変化させることが可能となっている. 2.磁性材料の選定 本研究では,磁気熱量効果が常温付近で最大となる性質を持ったガドリニウムおよび,組成によりキュリー点を任意に設定することが出来るLa-Fe-Si系の合金を供試磁性体として用いた. 3.熱移動特性の実験 製作した実験装置を用いて,磁性体と周囲熱媒体との間の熱移動特性に関する実験,およびシステムの冷凍能力の評価を行った.実験パラメーターとして,励磁・消磁の周期,熱交換流体の流量,および初期磁性体温度を変化させた. 4.研究成果および特筆すべき点 (1)磁性体のキュリー点を消磁過程の開始温度とした場合,冷凍能力は最大値を示す. (2)冷凍能力は,熱輸送流体流量の増加に伴い飽和する傾向を示す. (3)大きな冷凍能力を得るためには,熱容量および熱伝導率の大きな流体を選択することが重要である.
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