2004 Fiscal Year Annual Research Report
伸長率勾配を有する場における対向流火炎の局所構造の解明
Project/Area Number |
16760147
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
滝田 謙一 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80282101)
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Keywords | 燃焼 / 消炎 / 対向流火炎 / 乱流火炎 |
Research Abstract |
伸長率勾配を有する場に形成された対向流火炎について,3次元、詳細化学反応機構を導入した数値解析コードを開発し、詳細な火炎構造を調べた。ルイス数が1より小さいメタン希薄火炎においては、火炎エッジ部において温度、OH,CHラジカル濃度が他の火炎部分より高くなっていること、一方、ルイス数が1より大きなプロパン希薄火炎では、それらの値が他の火炎部分より低くなっていることを示した。それらの結果は、過去に研究代表者が行った実験結果によく一致する。実験で現れたバーナ壁面への熱損失による火炎エッジ部を、壁面境界条件を等温壁とすることにより計算においても再現することができた。また、実験では得ることができない火炎エッジ部における局所流速ベクトル分布を示すことができ、火炎エッジ部で火炎が強化されるメタン希薄火炎ですら、エッジ部での火炎の結合が起こっていないことを明らかにした。さらに、エッジ部での局所伸長率と同一当量比の平面対向流火炎の消炎伸長率の比を調べた。得られた結果において、双子メタン火炎ではその値が約0.7,双子プロパン火炎で約0.6,単一メタン火炎で約0.9,単一プロパン火炎で約0.9であった。これらの値は実験結果にもよく一致した。実験結果では、それらの伸長率比の値が伸長率勾配に影響を受けたが、計算結果では伸長率勾配には依存しない結果となった。この違いの原因が、実験では当量比を固定せずに計測しているため、当量比の変化の影響も結果に反映されたためであることを明らかにした。
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