2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16760149
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大宮司 啓文 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (10302754)
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Keywords | ナノチューブ / ナノフルイディックス / デバイ長 / 電気二重層 / ユニポーラー水溶液 |
Research Abstract |
電解質水溶液(一価イオン)の濃度が0.1Mから0.1μMのとき、水溶液のデバイ長(イオンが局所的な電場の影響を受ける距離)はナノメートルのオーダーになる。チャネルの壁が電荷を持ち、チャネルの幅がデバイ長と同程度であると、チャネルの内部が全て電気二重層の内部となり,カウンターイオン(壁の電荷と逆符号の電荷をもつイオン)のみがチャネル内に入ることができる。このような状態を人工的に作り出すことによってさまざまな応用を考えることができる。例えば、(1)チャネルの両端に電位差を与えると電気泳動現象が見られるが、壁面に生体分子や化学物質を吸着させることにより表面電荷密度を制御すると、チャネルを流れる電流が変わる。この現象はセンサーに応用することができる。また、(2)チャネルの両端に圧力差を与えると流体が動き、その結果、電流、電圧を生じるが、力学的な仕事を電気エネルギーに変えることに着目すれば、小型発電装置に応用することができる。今年度は主に、機能性ナノチャネルを用いた様々な装置について、熱、物質、電気移動現象を解析することにより、その実現可能性について検討した。特に、ナノチャネルの内部を液体で満たしたナノフルイディックチャネルを対象とし、表面を機能化することにより、センサー、発電装置として応用できることを示した。また、装置の原理を提案するだけでなく、実用化に際して問題点となる箇所を明らかにした。
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Research Products
(2 results)