2004 Fiscal Year Annual Research Report
近赤外光を用いたバイオマイクロスケール温度測定技術の開発
Project/Area Number |
16760152
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
角田 直人 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (70345437)
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Keywords | 近赤外光 / 光吸収スペクトル / 顕微鏡 / 温度測定 / マイクロスケール |
Research Abstract |
本研究は、バイオマイクロスケール領域を対象に、水の光吸収スペクトルが温度によって微妙に変化することを利用した、非接触型の温度測定システムを開発することを目的としている。始めに、生物観察用の光学顕微鏡をベースに、光学系を設計し、分光計と組み合わせた温度測定システムのセットアップを行った。光学設計に関しては、顕微鏡メーカーと討論および連携した作業を行った。照射光を観察用のハロゲンランプ光、分光計で検出する波長域を1200〜2000nmとし、これより長波長域の光は、フィルタでカットすることにより試料への熱ダメージを抑えた。試料として、始めに顕微鏡ステージ上で温度制御された水(石英セル内)を用い、温度変化に対する吸収スペクトルデータを取得した。水の吸収ピークは1450nmと1900nmの2つあり、温度算定のためのこれらの波長付近のデータサンプリングの方法を検討した。試料厚さ(光路長)が小さい場合(100μm以下)は、吸収が大きく、温度変化による吸光度変化量が大きい1900nmのデータを用いることが有効であることが分かった。一方、試料厚さが大きい場合は、規定の入射光では、吸収の強い1900nmの透過光を検出するのが難しいため、1450nmのデータを用いることが有効であることが分かった。すなわち、両者のデータを組み合わせて解析に用いることで、様々な試料厚さに対応し、確実に温度推定ができることが示唆された。温度変化量の同定には、主成分回帰分析を用いて、0.1℃程度の予測誤差となることを確かめた。また、次年度より培養細胞に適用することを目指し、他機関の生物学系研究室と協力し、本年度後半より細胞培養を開始した。
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Research Products
(3 results)