2004 Fiscal Year Annual Research Report
一様等方性乱流におけるマイクロバブルと乱流微細構造の相互作用
Project/Area Number |
16760155
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 満 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (20281115)
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Keywords | マイクロバブル / 渦構造 / 直接数値計算 / Taylor-Green渦 / 平衡点 |
Research Abstract |
マイクロバブル(微小気泡)と乱流微細構造(渦構造)との相互作用を解明するための第1段階として,2次元Taylor-Green (TG)渦と微小気泡の相互作用を直接数値計算により調べた.ここでは、少量の不純物を含む水の中に存在する微小気泡を想定して,気泡は球形固体粒子のようにふるまうと仮定した.滝口らが固体粒子の解析のために開発した計算法をもとに,気泡への適用を可能とするいくつかの改良を行い,系の運動量が保存され安定な計算が可能なスキームを完成させた.静止流体中での気泡の終端速度を計算したところ,その値は理論値とほぼ一致することを確認した. この計算方法を用いて,TG渦流れの中を上昇する気泡のシミュレーションを行った。TG渦のレイノルズ数は,乱流中の渦のレイノルズ数と同程度になるように設定した.比較のために,質点モデルを用いた計算も行った.気泡に働く力としては,抗力,浮力,圧力勾配力,付加質量力のみを考えた場合と,それらにAuton型の揚力を加えた場合について考察した.TG渦流れの長さ,時間スケールで規格化される重力加速度の値を1程度に固定し,気泡の大きさ(ストークス数)を変えて何種類かの計算を行った.その結果,(1)気泡に働く力のバランスによって決まる平衡点がTG渦内に存在すること,(2)質点モデルの場合、平衡点は揚力の効果によって、鉛直下向きおよび渦外向きに移動すること,(3)直接数値計算により得られる平衡点は,揚力を考慮した質点モデルの場合に比べて、さらに鉛直下向きにずれること,(4)直接数値計算における平衡点は,同時に渦中心方向にもずれており,その程度は気泡が大きいほど顕著であること、が分かった.
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