Research Abstract |
本研究では,界面のサブナノメートルから10ナノメートル(0.5〜10nm)の構造が,界面と流体の間のエネルギ伝達に及ぼす影響を解析的に予測すること,ならびに,実際に界面に付着させる粒子の特性スケールを変化させた場合のエネルギ伝達特性の変化を実験的に検証することを研究の第一目的とした.また,界面のサブナノメートルから10ナノメートル(0.5〜10nm)の構造が,界面での潤滑特性に及ぼす影響を解析的に予測することを第二の目的とした. 上記の研究目的のために,固液界面近傍の熱流動を解析する分子動力学シミュレータを作成して,界面構造か界面近傍の流体分子の挙動に及ぼす影響について調べた.その結果,界面構造物間隔がサブナノメートルから数ナノメートルと大きくなるにしたがって,界面近傍の流体分子の動きやすさが促進されること,ならびに,さらに界面構造物間隔が大きくなると界面近傍の流体分子が動きにくくなることが解析的に明らかになった.これらの研究成果に関して,和文および英文の3篇の論文にまとめて研究発表を行った. 次に,界面のナノ構造および流体に働く圧力が,界面と流体分子との間の摩擦係数に及ぼす影響に関して分子動力学解析を行った.その結果,界面にナノ構造が存在する界面の方が,完全にフラットな界面に比べて,摩擦係数が大きくなることが予測された.この解析結果については,次年度も解析を続けることによって,解析結果の妥当性の検討を行う予定である. 次に,界面構造スケールをコントロールした表面の作成するために,ナノ粒子(酸化銅ならびにアルミナ)を購入し,界面にエッティング処理する方法について検討を行った.また,界面処理方法のテスト実験を行って,界面の走査型顕微鏡による界面観察を行った.界面特性の実験的検討は,次年度の課題である.
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