2005 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ流路内での非ニュートン流体脈動流に関する研究
Project/Area Number |
16760161
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
巽 和也 大阪府立大学, 工学研究科, 助手 (90372854)
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Keywords | マイクロ流れ / 脈動流 / マイクロポンプ / 試薬混合 / PIV計測 / 濃度場計測 / 溝付設流路 / 数値解析 |
Research Abstract |
H17年度では研究対象をより実機に近づけ,Lab-on-a-Chipやμ-TASを念頭とした蠕動運動型マイクロポンプと血液などの試薬を効率良く混合する受動型マイクロミキサーの開発を行った. 前者は従来の加圧式ポンプと異なり,流路外部から流体の輸送を生成・制御が可能で,省スペースと低コスト化が期待される.そこで前年度に開発した数値解析コードにImmersed Boundary法を適用し,流路壁面が蠕動運動すなわち進行波状に変化する系について計算を行い,その振幅,振動数,波長,壁面形状が生成される脈動流に与える影響について検討を行った.その結果,主流方向断面の時間平均流速は正弦波振幅の2乗に比例し,壁面正弦波速度に対して非線形的に増加すること,波速度が大きい場合,主流部と壁近傍部間で主流方向速度に位相差が見られ,この特性は検討した範囲内では振幅に対する依存性が少ないこと,また流路両壁が同位相で変動する場合に流体の輸送量が極めて小さいことが分かった. マイクロミキサーの開発では,ブロック挿入型と溝付設型流路についてマイクロPIVによる流れ場計測実験と高感度CCDカメラによる濃度場計測実験,および3次元数値解析を行い,流路内の流動と混合特性について検討を行った.流路は前年度に用いたElectron Beam(電子線)製のマスクの変わりに写真板を用いたエマルジョンマスクを,さらにマスクアライナーを使用して2段構造のものを製作した.また,マイクロ蛍光粒子とRhodamine Bを活用した2種類の測定法により2流体の混合性能評価実験を行った.その結果,ブロック挿入型では流路アスペクト比(AR)が小さい場合では有効であるがARが大きくなると性能が著しく劣化すること,溝付設流路では高ARの流路でも有効であること,鉤形溝付設流路では非軸対称溝の方が軸対称溝よりもスパン方向の流体の輸送量が大きく性能が高いこと,溝幅による性能への影響が小さいこと,そして鉤形溝よりも傾斜溝の方が高い混合性能が得られることが分かった.
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Research Products
(6 results)