2004 Fiscal Year Annual Research Report
液-液界面におけるマランゴニ効果をともなう対流現象に関する研究
Project/Area Number |
16760168
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
染矢 聡 独立行政法人産業技術総合研究所, エネルギー技術研究部門・分散システムグループ, 研究員 (00357336)
|
Keywords | 界面張力 / 表面張力 / 界面張力温度係数 / ペンダントドロップ / 画像処理 |
Research Abstract |
LEC法によるバルク結晶育成では混ざり合わない液体間(融液・封止液体)の界面張力に起因するマランゴニ流れが製品の低コスト・高品位化を阻害している.この液面相互作用を理解するためには,まず,その界面張力や界面張力温度係数を知る必要がある.しかし,マランゴニ流れに関する基礎実験でしばしば利用される模擬流体のシリコンオイルやフロリナートに関するデータすらあまり測定された例がない. 一方,界面張力計測では,磁気浮遊法などの表面張力波を利用する手法の適用が困難である.プレート法やセシルドロップ法の場合もシリコンオイルの高い濡れ性による誤差が考えられる.そのため本研究では濡れ性が液滴保持性以外に影響することのないペンダントドロップ法を用い,シリコンオイル(KF96L-2cst,5cst, KF96-10cst,20cst)とフロリナート(FC3283,40,43,70)の表面張力・表面張力温度係数及び,これらの組合せにおける界面張力・界面張力温度係数を測定した. 測定では温度を15〜50℃の範囲で5℃ずつ変化させ,各条件で50回ずつの測定値の平均から張力を求めた.今回構築した測定システムでは格子画像を用いて歪を取り除いた液滴画像から液滴の形状を抽出し,この形状と良く一致する理論曲線を与える張力値を解とする方法を用いた.画像処理など一連の処理を行うプログラムは独自に作成したものである. これにより表面張力の値が14〜20mN/m,界面張力は3〜8mN/mと非常に小さいにもかかわらず,標準偏差が0.4%と非常に小さく,確度の高い測定を行うことができた.また,これらの測定結果,及び表面及び界面張力が温度の一次関数であるとの仮定に基づいて,最小自乗法により,表面・界面張力の温度係数を求めた.その結果,表面張力については0.026〜0.16[mN/m],界面張力については0.009〜0.07[mN/m]の標準偏差を持つ近似式及び張力温度係数を得た.
|
Research Products
(2 results)