2005 Fiscal Year Annual Research Report
液-液界面におけるマランゴニ効果をともなう対流現象に関する研究
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16760168
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
染矢 聡 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (00357336)
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Keywords | 熱工学 / 結晶成長 / 微小重力 / 表面・界面物性 / マランゴニ流れ |
Research Abstract |
液体封止チョクラルスキー(LEC)法によるバルク結晶育成技術では液-液界面におけるマランゴニ効果が融液の流れに大きな影響を与える.浮力の効果が比較的小さくなるマイクロスケール流れにおいても,マランゴニ効果を含む,界面流体現象が対流に大きな影響を与えると考えられる.これらの現象ではマランゴニ力と浮力との相互作用が重要となる.一方,これまでマランゴニ対流に関する研究は,単一の液体の気液界面のみを対象として行われたものが多く,液体の形状や温度の制御は容易であるが,周囲流体との熱のやり取りなどを考慮することが難しかった.また,浮力との相互作用を考慮した例はほとんどない.そこで本研究では非混合液-液界面に着目することによって界面を形成する流体間の熱交換や液層間の流れの相互作用も考慮し,対流におけるマランゴニ力と浮力との相互作用について検討する. 平成16年度に,界面張力計測法の開発を行い,これを用いて複数の種類の実験流体の表面・界面張力及び聴力温度係数を測定した. 本年度はこのガラス容器内にいろいろ種類のシリコンオイルとフロリナートを入れ,実験条件を系統立てて変化させ,浮力流れとマランゴニ流れの相互作用について検討した.まず,表層(0.2mm)に熱電対を埋め込んだ銅ブロックを作成する.ガラス製矩形容器の左右に恒温循環水によって温度差を一定に保った銅ブロックを設置し,多数の熱電対を用いて銅壁上の温度変動を測定した.また,レーザーフォーカス変位計で液-液界面の微小変動を計測した.これらによって流れの基本特性を把握しつつ,粒子画像流速測定法(PIV)により流体の速度場の詳細を測定した.実験のための基本機器は全て現有のシステムを用い,実験用消耗品を購入した.また,平成18年度以降,円筒容器を用いた実験を行うことを考えているため,その実験装置の製作に着手した.
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