2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16760174
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
細矢 直基 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (40344957)
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Keywords | 薄板構造物 / 実験モード解析 / 周波数応答関数 / 折り曲げ加工 / 部分構造合成法 / センサ質量 |
Research Abstract |
薄板構造物は自動車のフロアパネルやシンクなど幅広く用いられている.薄板構造物には相対的な剛性を向上させるために折り曲げや溝などが設けられているが,これらには薄板構造物の振動特性は考慮されていない.本研究では薄板構造物の振動特性を考慮した折り曲げや溝に対する設計指針について検討した. はじめに,薄板構造物に折り曲げや溝を設けることでどのように振動モードが変化するのかを明らかにするために,センサ位置と振動モードの関係を検討した.一般に,観測される振動モードはセンサの取り付け位置により異なるため,センサ位置と振動モードの関係を明らかにする必要があると考えた.次に,薄板構造物に複数個の加速度センサを取り付けて振動試験をする際,センサ質量が測定された動特性に影響を及ぼすことが問題となるため,これを補正する手法を導入した.自動車のフロアパネルの周波数応答関数測定においてセンサ質量の影響を精度良く補正できることを実験的に示した. これらの結果を踏まえ,まず,振動特性を考慮し折り曲げや溝などの加工を施した薄板構造物の例として,スチールドラムの振動試験を行った.これはドラム缶の底を部分球状殻に変形させ,その中に音階の数だけ折り曲げや溝で区切った楕円形や円形の平板部を叩くことで様々な音階を発生する中南米の楽器である.スチールドラムは曲線状の折り曲げなどにより,所望の固有振動数や振動モードに調節されていることを示した.次に,平板の有限要素法による数値シミュレーションや振動試験を通して,曲線状に折り曲げや溝を設けることで,所望の振動モードを消滅させたり,ローカルモードとさせたりできることを示し,折り曲げや溝が所望の振動モードの低減に有効であることも明らかにした.さらに,薄板構造物に設けた折り曲げや溝の設計指針として板厚のみを変更する手法を導入し,所望の振動モードが調節できることを示した.
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Research Products
(4 results)