2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16760180
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
小嵜 貴弘 広島市立大学, 情報科学部, 助教授 (20285422)
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Keywords | 空気圧工学 / 空気圧サーボ系 / 摩擦オブザーバ |
Research Abstract |
空気圧サーボ系は、万一衝撃が加わった場合でも空気の圧縮性により緩和・吸収できる能力を備えていることから、安全性が要求される医療・福祉用機器などに応用されている。しかし、その特性のため、摺動部に生じる摩擦の影響を受けやすく、一般に高精度な制御を実現するためには何らかの対策を必要とする。 近年、製造形態の多様な変化により、空気圧サーボ系の一層の機能の高度化に対する期待が高まっている。しかし、機能や精度の向上を追求すれば、それに伴ってセンサ数が増してコストが上昇し、低コストが特徴である空気圧の優位性が薄れることになる。一方、空気圧サーボ系の高性能化において障害となる摩擦は、潤滑剤の状態や温度などによって多様に変化し、的確に補償することは容易ではない。 そこで本研究では、空気圧サーボ系に摩擦オブザーバを組み込み、摩擦の影響を低減化することを試みる。今年度は、Friedlandらによって提案されたオブザーバをもとに、空気圧サーボ系の摩擦補償のために用いるオブザーバの設計を行い、摩擦を推定する実験によりどの程度の性能を有するかを確かめた。オブザーバによって得られる推定摩擦と測定摩擦との比較を行い、その性能を検証した結果、静止摩擦力、およびシリンダ室内の圧力による影響を考慮して設計したオブザーバを用いて得られた推定摩擦は、測定摩擦に良く合致し、十分な性能を得ることができた。さらに、コスト削減のため速度センサを省き、摩擦と速度を同時に推定するオブザーバを用いた場合においても良好な結果を得ることが出来た。今後は、設計した摩擦オブザーバを位置決めのための空気圧サーボ系に付加し、その性能を評価する。
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