2004 Fiscal Year Annual Research Report
スマートストラクチャの損傷診断適応型ハイブリッド制御
Project/Area Number |
16760188
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
高木 清志 独立行政法人産業技術総合研究所, 先進製造プロセス研究部門, 研究員 (10357345)
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Keywords | スマート構造 / 振動制御 / 損傷推定 / ゲインスケジュールド制御 / モデリング |
Research Abstract |
振動情報を用いた損傷診断は,振動制御がなされている状態では,推定が難しい.本研究では,片持ちはりを対象として,振動制御がなされた状態で,クラックの位置と深さを推定する一手法を示し,クラックによる固有振動数の変化やモード形状の変化に即座に対応するゲインスケジュールド制御を行った. まず,クラックとその開閉を考慮した片持ちはりの有限要素モデルと,モード打ち切り法による低次元化モデルを求めた.そして,フロベニウスノルムを近似の指標として選ぶ手法を用いて低次元化モデルを変形し,少ない次数とパラメータ数で,クラックの深さと位置を精度良く表す制御系設計のための関するLPV(線形パラメータ変動)モデルを求めた.つぎに,得られたLPVモデルをLFT(線形分数変換)表現へと変換し,ゲインスケジュールド制御系を設計した. そして,有限要素モデルと制御器で閉ループ系を構成し,クラックの位置,深さと固有振動数の関係を求め,振動制御がなされている状態でのクラック推定を行った.本研究ではクラック推定を複数回繰り返す手法を提案することで,振動制御がなされていても精度良く推定が行えることを数値シミュレーションにより示した.さらに,推定されたクラックのパラメータを用いてゲインスケジュールド制御系のスケジューリングを行い,クラックを有する片持ちはりの振動制御シミュレーションを行った.ゲインスケジュールド制御系は,クラックの考慮をしていない制御系に比べて,クラックが生じた際の制御性能が高いことから,本研究で提案する推定および制御手法が有効であることを示した. さらに,導出されたモデルの精度を検証するため実験装置を製作した.実験装置は,はり本体と加振装置からなり,はりにき裂を加工し,はりの根元に圧電素子を,先端に加速度計を設置した.
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Research Products
(1 results)