2004 Fiscal Year Annual Research Report
生体モータ分子構造変化の可視化を目指すシリコンナノ構造と分子の特異的結合技術の研究
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16760191
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
TIXIER Agnes 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (00334368)
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Keywords | シリコンナノ針 / ラベル / タンパク質の動作 / 局所的付着 / 選択的付着 / マイクロ加工技術 / マイクロビーズ / モータータンパク質 |
Research Abstract |
モータータンパク質の動きを観察するために、最も一般的な方法は、ビーズを付着させ、これを目印とすることである。変位の観察は容易であるが、回転の動きは、ビーズが対称形であるため、観察が困難である。そのような場合には、針状の構造を目印とすることが望まれる。そのような構造について、以下の条件が要求される。(1)数100万個ほどの針状構造を迅速かつ容易に製作する必要がある。(2)針の直径(100-200ナノメートル)と長さ(1-2マイクロメートル)は、加工精度が十分で、それぞれが均一でなければならない。(3)局所的にタンパク質を付着するため、付着面の材質の検討が必要となる。 最初の製作プロセスについて、TRANSDUCERS'03会議で発表した。しかし、良好な局所的な付着表面を得るのは難しかった。微細加工技術を使った、2番目の簡単で迅速な製作プロセスは、MEMS'04会議で発表した。この独自技術は200ナノメートルの直径の、何百万ものポリスチレンナノビーズを使う。そして、針の製作のためのマスクとして、金の薄膜で覆われるシリコンウエハーの上に散布する。ビーズマスクを通して金とシリコンのエッチングの後、140ナノメートルの直径のシリコンナノ針を製作できる。金の薄膜に、タンパク質がよく付着し、全体の構造高さは1.5マイクロメートルとなる。表面から柱状構造を分離するために、超音波洗浄器を用いる。大量のナノ針を一度に製作することができ、プロセスの効率が向上した。 回転方向に動いているF1モータータンパク質にナノ針を付着させる最初の実験で、ナノ針がタンパク質の回転のよい目印となり、視覚認識ができることがわかった。つぎに、直線的に動くKlF1Aモータータンパク質に適用したところ、直線的に動きながら、回転の動きも観察された。
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