2004 Fiscal Year Annual Research Report
ハイパー・フレキシブルメカニズムによる安全・安心化技術の実現
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16760192
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 高宏 東京大学, 大学院・情報学環, 助教授 (20302622)
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Keywords | 安全・安心化 / レスキュー / 柔軟ロボット / 非線形制御 / 劣駆動機構 / マニピュレータ / 動力学 / 多自由度システム |
Research Abstract |
平成16年度においては,超柔軟要素を用いたロボットシステム(ハイパー・フレキシブルメカニズム)によるマニピュレーションの一つとして,紐やロープなどのような一次元形状の超柔軟要素を投射し対象物に巻き付けることによる捕獲作業について研究を行った. 超柔軟アームによる投射・巻き付きは,高い柔軟性により軽量であると同時に超長尺なアームによって,しかも先端に特定のハンドを有しないために,対象物の大きさや形状によらない捕獲を行えるマニピュレーション方法の一つである.この作業は,1)投射(cast),2)接触(contact),3)巻き付き(wind),4)保持(hold)の4つの段階に分けることができ,最終段階において安定でしっかりとした保持を実現するために,それまでの段階でどのような制御を行えばよいか明らかにする必要がある. 今年度では,まず簡単な基礎実験と運動シミュレーションなどにより,投射・巻き付きによるマニピュレーションの可能性を確認し,アームと対象物表面間の摩擦係数や反発係数の違いにより,アームの接触前の速度と巻き付き結果の関係を調べ,接触前の投射段階においてアーム速度の適切な制御が必要であることを明らかにした.また,アームの投射方法を変化させた際の巻き付き結果の違いについても研究を行い,接触前のアーム制御において,アームを伸直形状に近づけることや十分な運動量を持たせるだけでなく,アーム上での張力分布が不連続となることが重要であることを明らかにした.さらに,保持段階における静力学を定式化し,巻き付き段階においても静的な巻き付き状態を維持しながら巻き付きを進行させるためには,適切な張力制御などを行う必要があることを示した.また,並行して投射・巻き付き以外のマニピュレーションも可能な実験装置の試作も進めている.
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