2004 Fiscal Year Annual Research Report
ロボットによる蝶々結びの実現 -結び操作を含めた線状物体のマニピュレーションにおける戦略導出支援-
Project/Area Number |
16760200
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
若松 栄史 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60273603)
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Keywords | マニピュレーション / 柔軟物体 / 線状物体 / 作業計画 / 定性表現 |
Research Abstract |
今年度は、線状物体のマニピュレーション過程を定性的に表現し、結び操作の作業計画の導出手法を提案、結び作業計画を行う試作システムを開発した。線状物体の状態は、物体の変形形状をある平面上に投影した際の交差数と各交差における上下関係および交差形態から有限個に分類することができる。更に、位相幾何学の一分野である結び目理論を応用することで、各状態間の遷移を4種類の基本操作と対応付けることができる。以上より、線状物体の初期状態と目標状態が与えられた際、可能性のある状態遷移経路、すなわちマニピュレーション過程を計算機により自動生成できることを示し、実際にシステムを構築した。以上の内容については、雑誌論文としても発表する予定である。 ただし、上記内容では、マニピュレーションにおける具体的な把持点までを確定することはできないため、引き続き以下のような決定手法を提案した。線状物体の各線分を外部線分、輪郭線分、内部線分に分類し、これを線分の属性と定義する。形状的に、内部線分は相対的に短く、輪郭線分は相対的に長くした方が、一回の交差操作の成功率が高いと考えられるため、ある遷移経路を選択した際、それぞれの交差操作について、前述の条件に従って各線分の大小関係を決定する。最終的な大小関係を満たすように、各線分の長さを決定するが、線分の両端点が上下交点に対応し、更には把持点に対応するため、この手法により適当な把持点を確定することができる。以上の手法もシステムに組み込み、単なるマニピュレーション過程ではなく、把持点の情報を含むマニピュレーション計画の生成を可能とした。 また、線状物体に対する定量解析として、動的変形モデルを提案し、実験とシミュレーションの比較により妥当性を確認した。これにより、静的変形形状だけでなく、マニピュレーション中の動的変形形状や、線状物体と作業台等との摩擦を考慮した変形形状の予測が可能となった。
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Research Products
(1 results)