2004 Fiscal Year Annual Research Report
PDP放電セルにおける異常放電及び劣化モニタリングシステムの開発
Project/Area Number |
16760231
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
成 烈文 宮崎大学, 工学部, 助教授 (50304837)
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Keywords | プラズマディスプレイパネル / 放電劣化 / MgO / 粒子挙動 / レーザー分光法 / レーザー誘起蛍光法 / 多変量解析 / プラズマモニタリング |
Research Abstract |
本研究は、PDP放電と劣化現象について実験及び理論の両方面で行なってきた研究結果をベースとし、PDP放電の中身を解析すると共に異常放電・劣化等のモニタリング技術を開発して、産業現場の立場で適用可能なものの、具体的なプロセス指針へと生かしていくことを目指している。次はこれまでの研究結果である。 1)300kHzの高周波加速劣化試験によるPDP放電セル内のMgO保護膜の劣化過程について調べた。その結果、MgO表面にわたるエロージョンと汚損の領域がそれぞれ局部的に進展していくことが分かった。エロージョン優先領域は電極先端部近傍であり、MgOの2次電子放出効率も最大となる。それ以外の汚損領域では2次電子放出効率の低下、放電電圧上昇などの放電劣化の進展につながる。これらの実験結果はPICコードを用いたプラズマシミュレーションによって無理なく説明できることを示した。 2)放電中にMgO層からスパッタされ、放電空間に放出する(3^1S_0-3^1P_1)準位のMg粒子の挙動について、レーザー誘起蛍光法(LIF)法を用いた観測実験を行った。その結果、MgのLIF信号(波長:285.2nm)を測ることができた。LIF信号は発光のピークに比べ約390[ns]遅れが生じているが、これはプラズマ中のイオンの再結合によりLIF信号が増加することと、MgO保護膜のスパッタにより空間中に放出されるMg粒子が測定位置に達するまでの遅れによるものと考えられる。これらについては今後さらに検討が必要である。 3)様々な実験結果をベースとし、正常安定放電から劣化による異常放電に至るまでの全放電範囲にわたって多変量解析法を用いた放電劣化モニタリングを行った。その結果、マハラノビスの距離(MD)を用い、劣化度合を定量的に判別することが可能であることを示した。今後、より信頼度の高い劣化評価の指針を明らかにしていく予定である。
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Research Products
(4 results)