2004 Fiscal Year Annual Research Report
原子層MOCVDとエリプソメトリ成膜モニタを用いた極薄高誘電率ゲート絶縁膜の作製
Project/Area Number |
16760247
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
土屋 良重 東京工業大学, 量子ナノエレクトロニクス研究センター, 助手 (80334506)
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Keywords | 高誘電率ゲート絶縁膜 / 分光エリプソメトリ / 製膜その場観察 / Hf酸化物 / MOCVD / 第一原理計算 / Prシリケート / 角度分解光電子分光 |
Research Abstract |
次世代のULSIデバイスへの応用が検討されているHf系材料に関して、製膜条件の最適化をめざし、分光エリプソメータを用いた堆積過程原子層レベルその場観察の研究を行った。高誘電率酸化物のシリコン上への堆積過程は、アモルファス膜が組成変化を伴って堆積するという複雑な系であるため、まず、クラスターモデルを元にした第一原理計算により、HfO_2、SiO_2、およびHfシリケートの電子状態を求め、その電子状態を元に、時間依存1次摂動法により分極率、誘電率を計算した。堆積チャンバーに直接取り付けられている分光エリプソメータを用いて、交互供給MOCVD法によるHf酸化物の製膜過程をその場観察し、そのスペクトルの変化を観察した結果と計算結果を比較した。この比較から、製膜初期で界面層が形成され、その後酸化物層が堆積していく様子が定量的に説明できることを明らかになった。 次々世代の新規ゲート絶縁膜材料として期待されている希土類酸化物系の中の1つであるPrシリケートに注目しそのMOCVD法による堆積条件の確立と特性評価を行った。堆積後の薄膜に対して角度分解光電子分光スペクトルの測定を行い、4nm以下の極薄Prシリケートの堆積を確認した。Prシリケート中のPrの割合が大きくなるにつれてシリケート膜のバンドギャップが小さくなり、シリコン界面でのバンドオフセットの値も小さくなる傾向を観測した。Prが約50%と見積もられる薄膜においても、1eV以上のバンドオフセットを有しており、この結果は、Prシリケートが高誘電率ゲート絶縁膜として用いるための基準を満たしているということを示している。
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