2005 Fiscal Year Annual Research Report
Si基板上A1Nテンプレートを用いたHVPE法による厚膜GaNバルク結晶の作製
Project/Area Number |
16760252
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
本田 善央 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60362274)
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Keywords | GaNバルク単結晶 / AlN / HVPE / Si基板 / 選択成長法 |
Research Abstract |
前年度Si基板を用いてGaN厚膜単結晶の成長を試みた。その結果200nm以上のAlN中間層を介して成長を行うことで、Si基板のメルトバックエッチングを抑制することが可能であることを見出し100μm以上の厚膜GaNを得ることに成功した。しかしながら長時間成長においては基板界面からGaNへ向かい変質層が確認された。変質層には20%を超えるSiが含まれ、依然として耐性が完全ではなくゆっくりではあるがメルトバックエッチングが起きていることが示唆された。そこで本年度は、AlNテンプレートの成長条件の検討しメルトバックエッチングの抑制を図った。 成長用基板にはSi(111)を用い、MOVPE法によりAlNを成長行った後、HVPE反応管に導入しGaNを成長した。まず成長圧力の検討を行った。100torr〜常圧においてAlN成長を行った結果、300torr以上では3次元的な島状成長をしたのに対し、300torr以下において2次元的なAlN膜が得られ、メルトバックエッチングに対する耐性を向上することが可能であった。また、V/III比を100から5000と変化した結果、同様にV/III比が小さい場合に良い結果が得られることが分かった。これらの結果から原料のTMAとNH3の中間反応を防ぐことがAlNの結晶性向上において重要であることが明らかとなった。次にAlNの成長温度について検討を行った。AlN成長温度を900〜1250℃と変化した場合、900℃においてはAlNにクラックが発生した。一方1000℃以上ではAlNの均一な成長が可能であった。均一に成長したAlNテンプレートを用いた場合はHVPE成長においては耐性に明らかな差は認められなかった。以上の結果から、AlNテンプレートの成長条件として、減圧成長、低V/III比、高温成長が必要であることが明らかとなった。このようにして作製したテンプレートを用いた結果、50nmのAlNを用いた場合でもメルトバックエッチングをほぼ抑制可能であった。来年以降この結果を用い、長時間成長を試みる、300μ程度のGaN単結晶の作製を試みる。
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Research Products
(1 results)