2004 Fiscal Year Annual Research Report
超高信頼性バイオ・分子センサー応用に向けたダイヤモンド/有機系材料複合化
Project/Area Number |
16760254
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
牧 哲朗 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (80273605)
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Keywords | ダイヤモンド / アルキル化 / UV / X線光電子分光法 / 有機分子センサー |
Research Abstract |
本年度は,ダイヤモンド表面に有機分子を導入する際に,ダイヤモンド表面状態に依存する化学修飾の選択性,ならびに,より導入に適したダイヤモンド表面を創出する観点から,まず,ダイヤモンド表面へのアルキル化とその際のダイヤモンド表面の終端原子種,化学結合様式との関連性についてより詳細な検討を行った. アルキル基導入として,ペルフルオロヘキシルエチレン(F(CF_2)_6CH=CH_2)を用いた.導入方法は,この液体中において,ダイヤモンド結晶表面にキセノン・水銀ランプ.(200〜400nm)によるUV光を4h照射し,ダイヤモンド表面原子のラジカル化を促すことにより,ダイヤモンド表面へのアルキル化を行った. アルキル基導入の評価は,X線光電子分光法(XPS)を用いて行った.XPS評価結果から,ダイヤモンド表面の酸素の吸着量が多いとアルキル化は抑制されており,その結合様式は,C-O-C ether bondingであることが解析結果から示唆された.本結果は,第18回ダイヤモンドシンポジウムにおいて講演(オーラル発表)を行い,関連する研究グループと有益な討論ならびに交流を行った. この研究成果は,ダイヤモンド表面に有機分子を導入する方法のさらなる改善に,有効にフィードバックされた.より系統的な有機分子導入実験が可能なように,UV照射装置の構成ならびに有機分子導入用シュレンク管の構造についても新しい検討を加えた. 並行して,次年度における有機分子センサー評価素子の作製に向け,ダイヤモンド薄膜作製装置については,基板ホルダーならびにマスクの新規設計を行った.本年度の研究成果と連動した次年度への研究展開も着実に進展した.
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Research Products
(1 results)