2005 Fiscal Year Annual Research Report
シリコンマイクロ構造体上圧電型センサアレイの共振周波数チューニング
Project/Area Number |
16760255
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山下 馨 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (40263230)
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Keywords | ダイアフラム / 残留応力 / 座屈 / 撓み / 共振周波数 |
Research Abstract |
ダイアフラムの座屈による撓みの効果をより明確にするために、活性層厚みを2.5→1.5μm表面酸化膜層厚0.4→1μmと変更してセンサ部構造を作製した。圧縮応力を発生するシリコン酸化膜を2.5倍の厚みにし、中立のシリコン層の厚みを60%に薄くすることにより、上向きに撓むモーメント成分を増強できる。これによりダイアフラム部分は、活性層Si(1.0μm),熱酸化SiO_2(1.0μm),下部電極Pt/Ti(220nm),圧電層PZT(1.0μm),上部電極Au(200nm)の積層構造となる。 また、これまではPZTスピンコート時に通常の真空吸着ステージを用いていたが、この際に中心付近から負圧の漏れが生じ、上向きに座屈したダイアフラムが再度逆方向に引き戻されることがあった。これを防ぐために新たにステージの構造を設計・作製し、吸着部分から負圧が漏れてもダイアフラムを吸引することなく大気に逃げるよう工夫した。これにより、減圧吸引により全ダイアフラムを上向きに座屈させることが可能となった。 新たな積層構造のダイアフラムについて、減圧吸引を行わないものと、新治具を用いて全ダイアフラムを上向きに座屈させたものを作製し、共振周波数ばらつきを比較した。その結果、座屈方向をそろえたもので、明らかに共振周波数ばらつきの低減化が見られた。しかしながら、新治具により座屈方向をそろえたウェハにおいても若干の共振周波数の分布が生じた。この分布は、ウェハ周辺部では低く中心部に近づくほど高くなる傾向が見られた。これは、治具周辺部ではウェハとの間に隙間を生じて中心部ほど低圧になる圧力分布を生じたためと思われる。
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