2004 Fiscal Year Annual Research Report
シリコン太陽電池の高効率化に向けたCu(In,Ga)S_2薄膜の成長と構造の検討
Project/Area Number |
16760259
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Research Institution | Nagaoka National College of Technology |
Principal Investigator |
大石 耕一郎 長岡工業高等専門学校, 機械工学科, 助教授 (90300558)
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Keywords | Cu(In,Ga)S2 / カルコパイライト構造 / スファレライト構造 / 真空蒸着 / 太陽電池 |
Research Abstract |
本研究は、将来的にSiとCu(In,Ga)S_2のヘテロ接合太陽電池やSi太陽電池とのタンデム構造を検討することを目的として計画した。平成16年度は、Si基板上に成長したCu(In,Ga)S_2薄膜の結晶学的データの蓄積を行った。シリコン太陽電池をボトムセルとしたタンデム構造を想定した場合、トップセルの禁制帯幅は、太陽電池のエネルギー変換効率に大きく影響する。これまでの研究で、Cu(In,Ga)S_2の禁制帯幅はInとGaの組成比によって変動することを確認した。また、si基板上にCuInS_2薄膜を成長した場合、CuInS_2は正方晶系のカルコパイライト構造ではなく立方晶系のスファレライト構造に結晶化し、さらに成長中の基板温度を500°以上にすると、原料のInと基板のSiが反応し、膜質が著しく低下することがわかっている。一方、CuGaS_2はカルコパイライト構造に結晶化するので、混晶にすると、組成ばかりでなく結晶構造や配向も変化する。結晶学的な状態も、太陽電池の電気的特性に影響することが予想される。 InとGaの組成比を1:1とし、基板温度をパラメータとして2θ-θX線回折及び反射高速電子線回折(RHEED)の分析結果を参照しながら成長条件を検討した。試料はカルコパイライト構造に結晶化しており、通常はc-軸成長,2種類のa軸成長と4種類の{112}双晶の合計7種類の配向が存在するが、成長条件を最適化することによって、c-軸配向が優勢な薄膜の成長に成功した。
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