2006 Fiscal Year Annual Research Report
シリコン太陽電池の高効率化に向けたCu(In,Ga)S_2薄膜の成長と構造の検討
Project/Area Number |
16760259
|
Research Institution | Nagaoka National College of Technology |
Principal Investigator |
大石 耕一郎 長岡工業高等専門学校, 機械工学科, 助教授 (90300558)
|
Keywords | Cu(In,Ga)S_2 / カルコパイライト構造 / 溶融法 / 光音響分光法 / 逆格子マップ測定 / 太陽電池 |
Research Abstract |
本研究は、将来的にSiとCu(In,Ga)S_2のヘテロ接合太陽電池やSi太陽電池とのタンデム構造を検討することを目的として計画した。しかしながら、平成16年10月の新潟県中越地震により、これまでに準備してきた試料作製に必要な設備と施設を失ったため、現状で実施可能であることや本研究への寄与を勘案し、溶融法によるCu(In,Ga)S_2結晶の作製と結晶学的・光学的評価を行ってきた。 試料は、構成元素単体であるCu(5N), In(5N), Ga(6N), S(6N)を3.0×10^<-3>Pa以下で石英アンプル内に真空封入し、1,150℃で溶融して作製した。InとGaの充填比率を変えて試料を作製し、x=0.0から1.0の間で組成の異なるCuIn_<1-x>Ga_xS_2を得た。 平成17年度までに、粉末X線回折(XRD)による格子定数の算出と組成との関係を検討した。また、光音響分光法(PAS)による禁制帯幅の評価とその組成依存性を検討した。その結果、Si太陽電池をボトムセルとした2セル・タンデム構造で求められるトップセルの禁制帯幅の範囲(1.6-2.0eV程度)に対応する組成の範囲がx=0.2-0.6であることを実験的に示した。 平成18年度は、X線逆格子マップ測定による結晶学的評価を中心に検討した。特に結晶性の優れるCuInS_2のへき開結晶が単結晶であることを示し、結晶方位を特定した。また、フォトルミネッセンスを、x=0.5-1.0の結晶について約15Kで測定し、組成に伴う発光スペクトルのシフトを観察した。 研究代表者らはこれまでに〕x=0.0(CulnS2),0.5,1.0(CuGaS_2)でのSi基板上への薄膜成長を報告している。将来的な、x=0.2-0.6の範囲での薄膜太陽電池の実現に向けて、平成18年度後半より、薄膜成長に必要な設備の再構築を、溶融法による結晶作製・評価と並行して行っている。
|
Research Products
(2 results)