2005 Fiscal Year Annual Research Report
高温超伝導SQUIDを用いた核四極共鳴センサに関する研究
Project/Area Number |
16760261
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
立木 実 独立行政法人物質・材料研究機構, 超伝導材料研究センター, 主任研究員 (50318838)
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Keywords | 核四極共鳴 / 高温超伝導 / 超伝導量子干渉素子 |
Research Abstract |
XYスキャナーによる走査および、NQR測定をおこなうためのシールドを設計導入した。また、高温超伝導SQUIDを用いた測定では、まずは比較的大型の高温超伝導DC-SQUID素子と広帯域のDC-SQUID駆動回路を用いてSQUID-NQR検出系を構築した。共鳴型磁束トランスとQスイッチにより、信号感度の向上および、励起パルス信号からのSQUIDの保護をおこなった。共鳴周波数3MHz付近の物質測定では従来からの誘導コルと低ノイズプリアンプを使用した方法が信号-ノイズ比による感度が勝る結果が得られた。誘導コイル-プリアンプ法とSQUID-NQR法での感度の周波数特性を測定した。周波数が低下するほど誘導コイル方式では磁束分解能が悪くなってくるが、SQUID単体では直接検出が有利となると考えられる1MHz以下の周波数域において、信号感度特性を比較したところ現状のDC-SQUIDを使用するかぎりでは、なおSQUID方式の場合よりも誘導コイル方式のほうが高感度となっていることがわかった。直流電流によって駆動するDC-SQUIDに対して、高周波で駆動をおこなうRF-SQUIDは、同様のサイズを持つ素子の場合、磁場分解能を高く設計することが可能であると考えられる。そこで、より高感度なSQUIDセンサとして、高温超伝導RF-SQUIDを用いて1MHz以下の信号感度比較を行った。結果、RF-SQUIDでは磁束トランスの影響で、周波数が低くなるに従って、磁場分解能は悪くなってゆくが、1MHz付近においては、RF-SQUIDが誘導コイル方式と同等以上の感度を持つという結果が得られた。
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