2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16760274
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
竹澤 昌晃 九州工業大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20312671)
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Keywords | 磁区観察 / カー効果顕微鏡 / 動的磁区観察 / MRAM / 磁性アモルファス / 磁壁ピンニング / CCDカメラ / トリガ制御 |
Research Abstract |
本研究の目的は、次世代の大容量メモリとして期待されている磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)素子等において、その特性を大きく支配する交流磁界中での磁性体の高速磁化反転動作を磁区構造レベルで明らかにし、その制御法に関する知見を得ることである。 本年度は、微細磁性ドットや磁性アモルファスリボンの高速磁化反転を観測可能な動的磁区観察システムを構築するため、顕微鏡に取り付けたCCDカメラのシャッターと印加する交流磁界を同期させるトリガ制御法について、以下の手順で検討を行った。 ●高速なシャッタースピードではCCDが充分な画像情報を得るための光量が不足するため、光源の変更、顕微鏡内の光路および光学素子の最適化を行う。これにより、高速なシャッタースピードでも得られる磁区画像の明度を向上させる。 ●高速シャッターを有するCCDカメラを外部トリガ信号で制御する動的磁区観察システムを構築して、磁性ドットの磁区構造変化を観察する瞬間を高速に画像取り込みできるようにする。磁性ドットへの信号入力から同一時間経過後の磁区画像を繰り返し取り込むことで、鮮明な画像が得られるようにする。 これらによって構築した高速・高分解能磁区構造観察システムを用いて、rfスパッタ装置および電子ビーム露光装置を用いて作製した様々な寸法の微細磁性ドット、および熱処理によって磁壁のピンニング処理を施した磁性アモルファスリボンの交流磁界中での磁化反転の様子を観測した。磁性ドットにおいては、磁化反転機構や記録状態での磁区構造が、その寸法や形状に大きく依存性することが分かった。また、アモルファスリボンでの検討により、60Hzの交流磁界中での磁区観察において約50μmの高分解能が得られることが分かった。
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