2005 Fiscal Year Annual Research Report
超音波による情報伝送を利用したスマートICカードシステムの基礎開発と実用化実験
Project/Area Number |
16760280
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Research Institution | Oyama National College of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 真ノ介 小山工業高等専門学校, 電気情報工学科, 助手 (10369936)
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Keywords | 超音波 / ICカード / 情報伝送 / 情報漏洩 / スキミング |
Research Abstract |
本研究では,昨今,話題となっている磁気カードのワイヤレススキミング等の情報漏洩に対抗するため,従来の電磁波を用いた方式ではなく,空中での減衰が大きいことを利用した超音波によるICカードシステムの提案をしている.昨年度までの研究成果では,試作機を製作しカードリーダ・ライタからカードへの伝送を想定して情報伝送を行ったところ,最大2.4kbps(伝送距離16mmまで)の情報伝送速度を得た. 本年度は,カードからリーダ・ライタへの情報伝送と伝送速度の高速化を中心に取り組んだ.カードからリーダ・ライタへの情報伝送では,カード内の消費電力を抑えるために原審号を直接送信する手法によりリーダ・ライタからカードへの伝送時と同等の伝送速度が得られた.ただし,カード内電源が限られているため,送信信号の出力レベルが小さく,ほぼ密着状態での使用に限定される結果となった.本研究の目的として,ワイヤレススキミング対策をあげていることから,本カードシステムは密着状態での使用に限定し,伝送速度の高速化に特化した.高速化のために,超音波振動子の共振周波数を昨年度までの60kHzから1MHzに変更して高周波の信号が扱えるようにしたところ,リーダ・ライタ-カード間を双方向で115.2kbps(最大伝送距離0.5mm)と伝送速度が大幅に上昇した.一般的な電磁波方式の伝送速度は約200kbpsであるが,本結果は試作機のインターフェースの定格上この値に抑えられており,インターフェースを変更することで更なる高速化が見込まれる. 今年度の成果により,ICカードとして必要な伝送速度をほぼ満たす結果が得られた.平成18年度は実用化に向けた実験モデルの製作を行う予定である.また,今年度行う予定であったシステム全体の数式モデルの導出にも取り組む予定である.
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Research Products
(4 results)