2004 Fiscal Year Annual Research Report
UWB無線システム用超広帯域平面型アンテナの技術開発
Project/Area Number |
16760284
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山本 学 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (20301939)
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Keywords | UWB無線システム / 超広帯域アンテナ / 平面構造 / 自己補対型放射素子 / マイクロストリップ線路 / FDTD解析 |
Research Abstract |
本研究の目的は,UWB無線システム用の超広帯域アンテナを平面構造で実現するための基礎技術を確立し,同システムの実用化および小型化に資するところにある.本年度は次の知見と成果を得た. (1)自己補対型の放射素子に着目し,理想的な励振状態を仮定した上で,アンテナの周波数特性がUWB通信用の3.1〜10.6GHzにおいて一様となるような放射素子形状を見いだした.時間領域差分法(FDTD法)を用いた数値シミュレーションによるアンテナの特性解析を行い,その結果を踏まえながら放射素子形状の最適化を行った. (2)給電線路として,誘電体基板上に作成可能なマイクロストリップ線路を導入し,同線路と,上記(1)で最適化した放射素子との結合法を開発した.給電線路と放射素子とを一体化した構造について,FDTD解析による特性評価を行い,給電線路における反射損が上記の周波数帯において十分に抑えられるように,素子と給電線の結合法の最適化を図った. (3)上記(1)および(2)で開発されたアンテナを2組用いた無線伝送系について,時間領域差分法(FDTD法)による時間領域解析を行った.UWB通信において使用が想定されている,様々な形状のパルス波を送信アンテナに与えた場合の数値シミュレーションを行い,時間領域におけるアンテナの反射・伝送特性を評価した.これにより,群遅延特性の観点から放射素子・給電系の最適化を行った. (4)上記(1)〜(3)により最適化されたアンテナを試作し,周波数領域における諸特性の測定を行うとともに,実パルス伝送による時間領域での特性評価を行った.これにより,数値シミュレーションの妥当性を確認するとともに,測定結果を(1)〜(3)に適宜フィードバックして,マイクロ波UWB通信用平面型アンテナの構成法・設計法を確立した. 以上,本年度において予定していた研究課題について十分な成果が得られた.
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