2005 Fiscal Year Annual Research Report
超高速光通信用高繰り返し低雑音フェムト秒パルス列の発生技術
Project/Area Number |
16760286
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉田 真人 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (10333890)
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Keywords | 高調波再生モード同期ファイバレーザ / パルス圧縮 / 分散減少ファイバ / フェムト秒パルス / 誘導ブリユアン散乱 / 周波数変調 / 光ソリトン / Cs共鳴線 |
Research Abstract |
本研究では次世代の大容量・超高速フォトニックネットワークを構築する上で重要な高繰り返し超短パルス光源の開発に取り組んでいる。平成16年度は40GHzの高繰り返し高調波再生モード同期ファイバレーザを開発し、パルス幅が1.5〜2.0psの高安定なパルス列を得ることに成功した。今年度はこのピコ秒パルスの圧縮技術を開発し、高繰り返しフェムト秒パルス列の生成に取り組んだ。さらに高安定フェムト秒パルス発生のために繰り返し周波数をCs共鳴線に安定化する技術に取り組んだ。 本研究では、ファイバの分散値を長手方向に対して減少させた分散減少ファイバ(DDF: Dispersion Decreasing Fiber)を用いたソリトンパルス圧縮技術を用いた。DDF中においてソリトンパルスを形成するためにはDDFへ入射する光パルス強度を数100mWまで増幅する必要がある。その際、ソリトン効果以外の非線形光学効果の影響が無視できなくなる。本研究では、繰り返し周波数が40GHzであるモード同期ファイバレーザからの出力パルスの圧縮実験を行い、 SBS (SBS: Stimulated Brillouin Scattering)の影響によりその圧縮過程が不安定になることを見出した。そこでDDFへ入射する光パルス信号に周波数変調を与えその縦モード線幅を数10MHzに拡大することによりSBSを抑制し、繰り返しが40GHzで100fsのパルス列を安定に生成することに成功した。またCsのラムゼイ共鳴線に10GHzモード同期ファイバレーザを安定化し、パルスの繰り返し周波数を10^<-11>〜10^<-12>と高安定に制御することに成功した。
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