2004 Fiscal Year Annual Research Report
逆相給電一層構造導波管平面アンテナの高利得・高能率化の研究
Project/Area Number |
16760287
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
木村 雄一 埼玉大学, 工学部, 助手 (90334151)
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Keywords | 導波管スロットアンテナ / マイクロ波・ミリ波アンテナ / 平面アンテナ / 高能率アンテナ / 逆相給電 / 一層構造 / グレーティングローブ抑圧 / 低コスト・大量生産 |
Research Abstract |
平成16年度においては、準ミリ波帯およびミリ波帯で高利得・高能率が期待され、かつ、大量生産可能な簡素な構造である逆相給電一層構造導波管スロットアレーアンテナの高利得・高能率化を目的として、以下の検討を行った。(1)本アンテナのスロット配置に起因するグレーティングローブを抑圧するため、スロットを導波管広壁中央に直線状に配列させ、導波管狭壁より突出させた壁構造の摂動素子によりスロットを励振するスロットアレーの構成法を提案した。(2)提案された構成のスロットアレーを設計する上で必要となるスロット単素子の散乱行列を求めるため、導波管、スロットおよび壁構造の摂動素子により構成される解析モデルを構築し、電磁界シミュレータを用いて摂動素子長に対するの散乱行列および放射量の変化を明らかにした。なお、散乱行列を求める際、本研究費により導入された3次元有限要素法電磁界シミュレータ(Ansoft HFSS)が威力を発揮した。(3)得られたスロット単素子の散乱行列を基にして、一様励振分布となる8素子アレーの設計を行った。ここでは、スロット長は一定とし、各素子での放射量の制御は摂動素子長により行った。また、アレーの給電点での反射量を抑制するため、メインビームをアンテナ正面よりわずかに傾けるビームチルトの手法を採用した。(4)設計された8素子アレーを10GHz帯において試作し実験を行ったところ、リターンロス特性は設計周波数において-20dB以下に抑制され、放射パターンは所望のビームチルト角が得られることを確認した。また、近傍界測定によりアレーの励振分布を測定したところ、ややリプルはあるもののほぼ一様な励振分布が観測された。以上のことにより、本研究により提案されたスロットアレーの基本動作を確認した。今後の課題として、アレーの励振分布の改善および2次元アレーの試作等を予定している。
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Research Products
(6 results)