2004 Fiscal Year Annual Research Report
誤り訂正符号に基づく効率の良い量子鍵共有プロトコルの開発
Project/Area Number |
16760289
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
松本 隆太郎 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (10334517)
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Keywords | 量子鍵共有 / 誤り訂正 / 秘密増幅 |
Research Abstract |
BB84量子鍵共有プロトコルは、条件C_2⊂C_1を満たしている2つの線形符号C_1とC_2を用いた処理を行う。すなわち、線形符号C_1を用いて誤り訂正を行うことによって、送受信者は同一の乱数列を共有することができる。次に線形符号C_2を用いて秘密増幅を行うことによって、送受信者は盗聴者に知られていない乱数列(鍵)を抽出することができる。線形符号C_1とC1/2の復号誤り確率が十分に低ければ、送受信者は盗聴者に知られていない同一の鍵を共有できることが知られている。 線形符号C_1による誤り訂正は少ない計算量で行える必要がある。一般にC_1が少ない計算量で復号可能で、C_1,C1/2の復号誤り確率が低く、かつC_2⊂C_1である2つの線形符号の組C_1とC_2を見つけることは困難である。しかしながら、復号操作を行わないC1/2は最尤復号による復号誤り確率が低ければ十分である。そこで、誤り訂正に用いるC_1を先に決め、C_1の部分符号からC_2をランダムに選ぶ方法が提案されている。C_1の部分符号でレートH(2p)を有するC_2をランダムに選べば、C1/2の復号誤り確率が低いことが知られている。ただし、H(・)は2元エントロピー関数である。本研究では、C_1の部分符号でレートH(p)を有するC_2をランダムに選べば高い確率でC1/2の復号誤り確率が低いことを示している。
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