2004 Fiscal Year Annual Research Report
アドホックネットワークによる協力端末で実現するセルラMIMO空間多重伝送
Project/Area Number |
16760290
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
村田 英一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (60252475)
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Keywords | MIMOチャネル伝送 / 空間多重伝送 / アドホックネットワーク / 協力中継 / セルラ移動体通信 |
Research Abstract |
本研究では,高速伝送での必要帯域を削減するためにMIMO(Multi-Input Multi-Output)チャネル伝送と呼ばれる技術の利用を考える。MIMOは複数送受信機を必要とするため負担が大きいが,アドホックネットワークによる協力端末グループを利用して,1送受信機による実現を目指す。本研究の特徴は,そのままでは著しく送信電力が増えてしまう高速大容量移動通信について,アドホックネットワークとMIMOチャネル伝送を効果的に結合する点にある。 アドホックネットワークでは多数の端末による中継が行われる。むしろ不要な中継を抑えることが重要な課題である。本研究では,送信端末が近傍端末とアドホックネットワークを構成して協力端末を得て,それら端末群から同時に同一周波数でMIMO空間多重伝送を行うことを提案し研究を行った。これによって周波数利用効率を高める必要のある基地局までの比較的長い通信の周波数利用効率が改善され,結果的に帯域を求めて高い周波数へ移動する必要性が減少する。同時に,複数端末からの分散送信となるため,1端末あたりで見れば送信電力の問題も緩和される。制御を適切に行えば,建物の影などで特に受信レベルが低くなる場所から,良好な伝搬環境に位置する端末に送信を依頼することができ,システム全体としてはさらに送信電力問題が改善できる。本年度の研究成果は以下のとおりである。 ●MIMO受信信号処理を考慮した端末間通信について具体的に検討した ●計算しシミュレーションによって,最大4倍程度の周波数利用効率が得られることを明らかにした ●フィールド実験の準備を進め,無線局免許を取得した ●初期のフィールド実験によって,基本的な伝送実験に成功した
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