2004 Fiscal Year Annual Research Report
室内無線通信環境における簡易3次元電波伝搬解析手法の提案およびその応用
Project/Area Number |
16760294
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
佐藤 亮一 新潟大学, 教育人間科学部, 助教授 (00293184)
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Keywords | 室内伝搬 / 電磁波伝搬シミュレーション / FDTD法 / 簡易3次元解析 / 光線追跡法 / 木構造 / 節番号 |
Research Abstract |
1.簡易3次元室内モデルに対する電磁波伝搬解析 (1)室内空間における特徴としては,上下方向には天井と床,左右方向には複数の壁によって囲まれている点があげられる.そこで,送信アンテナが損失誘電体板で上下方向に囲まれた場合,および左右方向に囲まれた場合での電磁波伝搬(放射)特性を,FDTD法を用いて詳細に調べた.その結果,自由空間中とは少し異なる減衰特性を示すことを確認した.この電磁波減衰特性の「違い」を室内モデル固有の特徴と考え,(伝搬距離に対する)補正項として導出した. (2)数値計算が比較的容易な2次元FDTD法による伝搬解析結果に,(1)で導いた補正項の寄与を加えること,すなわち「2D_FDTD解析結果+補正項」により,簡易的に3次元伝搬解析が可能かどうかについての検討を行った.この簡易3次元結果と,PCソフトウェアによる測定結果とを比較したところ,概ね良好な伝搬解析結果であることがわかった.ここで,PCソフトウェアが示す信号強度と実際の電界(電力)強度とを比較し,その対応を調査する必要性が生じたので,携帯型スペクトルアナライザを購入し測定を行った. 2.光線追跡法を用いた2次元室内モデルに対する電磁波伝搬解析 1-(2)で提案した「2D_FDTD解析結果+補正項」の簡易3次元解析手法をより広い通信分野(例えばマルチホップ型ワイヤレスネットワーク)へ適用することを想定し,応用分野に関する研究に着手する前に,「高速な2次元伝搬解析手法の開発」の研究を始めた.ここでは,光線追跡法(SBR法)を基とした解析手法について検討している.現在までに開発された伝搬シミュレータは,FDTD法と比較すると,計算時間,使用メモリ量共に大幅な削減を実現した.今後は壁内部での多重反射の影響等を考慮した,より正確な伝搬シミュレータへと発展させ,3次元問題に拡張していく予定である.
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