2005 Fiscal Year Annual Research Report
サンプリング制御に基づく信号解析手法の開発とハードウェア検証
Project/Area Number |
16760298
|
Research Institution | Okinawa National College of Technology |
Principal Investigator |
野口 健太郎 沖縄工業高等専門学校, 情報通信システム工学科, 助教授 (00335100)
|
Keywords | サンプリング制御 / 加減算処理 / 乗算量削減 / ハードウェア量削減 / 信号解析 |
Research Abstract |
本研究は,サンプリング制御に基づく信号解析アルゴリズムを開発し,それをハードウェアで検証することを目的としている.具体的には,雑音に埋もれた正弦波信号の周波数を推定するアルゴリズムと,DTMF信号検出アルゴリズムを開発し,それらの基本性能を示している.そして,ハードウェア検証を行い,従来までの手法と比べて,ハードウェア量が削減できていることを明らかにしている. サンプリング制御による周波数推定アルゴリズムは,信号の特徴を捉え,その信号に適したサンプリングを行うことにより,従来のアルゴリズムで必要な乗算を加減算で実現している特徴を有している.この乗算の削減は,フィルタの係数値設定の際の係数量子化誤差,乗算に伴う乗算量子化誤差の回避に繋がると考え,そのプロトタイプを作製し,そのハードウェア量と,語長制限下での周波数推定性能の劣化割合を示している.そして,従来法と比較して,提案法は従来法の1/9の乗算器数で構成可能であることを示した.また,提案法の語長制限下での周波数推定性能の劣化が,従来法より小さいことを示した. DTMF信号検出アルゴリズムは,サンプリング制御とマルチプライアレス共振器を組み合わせることで,加減算主体でDTMF信号を検出するアルゴリズムである.提案法は,8kHzでサンプリングされた信号をあらかじめ設定したダウンサンプリング比でダウンサンプリングし,乗算器を有しない共振器の出力信号の累積値を利用することでDTMF信号を検出している.提案法は従来法の半分のデータ数を用いてDTMF信号を検出することができ,符号長16bitの完全並列回路をFAで構成した場合,提案法は従来法に比べて68%ハードウェア量を削減できることを示した.
|
Research Products
(3 results)