2004 Fiscal Year Annual Research Report
ウェーブレット解析によるウルトラワイドバンドシステムの干渉除去技術に関する研究
Project/Area Number |
16760301
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
和田 友孝 和歌山大学, システム工学部, 助手 (20314560)
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Keywords | ウルトラワイドバンド / ウェーブレット解析 / 干渉 / ブロードバンド通信 / IEEE802.11a / テンプレート波形 |
Research Abstract |
近距離での高速無線通信技術として超広帯域(Ultra Wideband : UWB)無線通信方式が注目されている.UWB信号は3.1〜10.6GHzの周波数帯に500MHz以上の帯域を持つ信号であるため,既存システムとの干渉が問題となっている.そこで,ウルトラワイドバンドシステムが使用目的や使用場所で共存すると考えられるIEEE802.11aの規格の無線LANシステムに与える干渉,および受ける干渉について検討を行った.与干渉については,希望波を無線LAN,干渉波をUWBシステムとしたときの希望波受信電力対干渉波受信電力比(D/U比)が-20dBにおいて,ビット誤り率10^<-3>を満たすべき無線LANの送信電力が干渉無しの場合と比較して約2dB増大することがわかった.被干渉については,D/U比が0dBにおいて,同様のビット誤り率を満たすべきUWBシステムの送信電力が干渉無しの場合より約1dB増大することがわかった. インパルス信号によるUWB-IR方式と既存システムの干渉を軽減するために様々な周波数ノッチ形成技術が提案されているが,本研究では干渉の影響を低減するために,干渉波の存在する帯域にノッチを形成するデュアルサイクルパルスを用いたUWBシステムの干渉の影響を検討した.その結果,従来方式と比較して提案方式は同じビット誤り率を満たすために必要なD/U比を15dB改善できることがわかった. また,UWB送信信号をウェーブレット解析により複数のサブキャリアに分割し,マルチキャリアテンプレートを作成した.このテンプレート波形は従来使われているシングルキャリアテンプレート波形とスペクトルが近似するように重み付けして構成した.マルチキャリアテンプレートから5GHz帯無線LANの干渉波と周波数が重なるサブキャリアを3本程度削除することにより,干渉の影響を大きく低減できることが明らかとなった.
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Research Products
(3 results)