2005 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキタス環境での公開鍵電子認証実現のための拡大体演算の世界最高速マイコン実装
Project/Area Number |
16760303
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
野上 保之 岡山大学, 大学院自然科学研究科, 助手 (60314655)
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Keywords | 有限体理論 / 拡大体 / 公開鍵暗号 / 楕円曲線暗号 / コンパクト実装 / 高速実装 |
Research Abstract |
平成17年度では、ユビキタス環境での使用を想定して、無線LANを搭載し、16ビットマイコンを計算用に搭載した公開鍵暗号系用の暗号化/復号ボードを試作し、それを用いて実際に楕円曲線暗号による電子認証通信、XTRを用いた暗号による電子認証通信などを行った。XTRを用いた暗号については、搭載ボードのプログラム容量の関係もあり、今回は行わなかった。具体的な実施内容は、以下の通りである。まずマイコン用のCプログラムによるライブラリを作成し、それを利用してのElgamal暗号認証および楕円曲線暗号認証を実装して、その処理速度を比較した。この段階で、我々のアルゴリズムがコンパクトであり、プログラムサイズが小さくて済むため、そのマイコン実装についても問題なく搭載できることが分かった。一方、処理速度については、同等の安全性をもつものとして、Elgamal暗号約1000ビットと、楕円曲線暗号約160ビットについて、その1回の暗号化、復号処理にかかる処理時間について計測し、比較を行った。その結果、前者が1回の暗号化処理に9.58秒、後者が5.38秒であった。今回の実装は、C言語による暗号ライブラリとして実装を試みたため、その処理速度は決して高速なものではないが、我々の過去の研究成果によれば、アセンブリ言語レベルでプログラムを詰めて行くことにより、この約10倍の高速化を容易に見込むことができ、これが今後の課題となる。
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Research Products
(4 results)