2005 Fiscal Year Annual Research Report
高性能サブミリ波アンテナの開発とサブミリ波による評価測定方法の提案
Project/Area Number |
16760304
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
松永 真由美 愛媛大学, 工学部, 助手 (30325360)
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Keywords | サブミリ波 / アンテナ / 電磁界理論解析 / イメージング / センシング / 高効率アンテナ / テラヘルツ波 / コルゲートホーン |
Research Abstract |
本年度は交差偏波が大変低くリターンロスが大変良い高効率高性能サブミリ波アンテナの開発に有効な設計方法を提案すると同時に、提案手法の有効性を実験的に検証した。 1.交差偏波を大変低く維持したままリターンロス特性を大幅に改善する、高効率高性能サブミリ波アンテナの有効な設計手法を提案した。提案手法を用いて設計したサブミリ波アンテナは、これまでなかなか改善できなかったリターンロスを大幅に改善し比帯域を大変広くすることができる。更に、従来の設計手法の多くではリターンロスの改善に伴い劣化していた交差偏波を大変低く維持することができる。また、溝の構成が大変簡単であることも本設計手法の特徴である。つまり、溝形状は断面が長方形の単純なもので、溝の幅や間隔もホーン全体を通して一定である。溝の深さは、モード変換部においてホーンの広がり角に応じて変化させるだけで、その他の部分ではすべて同じ寸法とする。また、モード変換部の溝の数は数ステップでよいなど、従来の設計手法に比べ単純で、複雑な最適化法は一切必要ない。この研究成果は学術論文誌へ投稿中であると同時に国際会議においても発表予定である。 2.提案した設計手法を用いて設計したサブミリ波アンテナを試作し、独自に開発したサブミリ波アンテナ評価システムを用いて実測による試作アンテナ特性の評価を行った。放射ビームの実測データを理論解析結果と比較検討した結果、その両者は非常に良く一致した。したがって、提案しているサブミリ波ホーン設計法の有効性が実証されたと同時に、独自に開発したサブミリ波アンテナ評価システムの妥当性・信頼性も実証されたと思われる。なお、これらの研究成果は現在学術論文へ投稿準備中である。 3.サブミリ波帯で有効なVSWR測定法について検討中である。本年度までの研究成果により、リターンロスが広帯域において良好なサブミリ波コルゲートホーンアンテナの設計手法が提案された。また、サブミリ波ホーンアンテナの放射ビーム測定が可能な独自の評価測定システムも完成し、その妥当性も示すことができる。現在、それに加え、VSWR測定がサブミリ波帯で可能なシステムについて検討中である。来年度も継続して行いたい。
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