2004 Fiscal Year Annual Research Report
コンテンツ配信におけるユーザ効用の時間感度差とその利用
Project/Area Number |
16760314
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
矢守 恭子 早稲田大学, 国際情報通信研究センター, 講師 (20350449)
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Keywords | サービス品質 / 優先制御 / 効用 / ユーザ行動モデル / 主観評価実験 / 最適配信方式 |
Research Abstract |
インターネットの広帯域化とともに,ネットワーク上で提供されるコンテンツは肥大化の一途を辿っており,同時に伝送されるトラヒック量も膨大になっている.このような中で,優先制御を用いた差別化サービスが注目されてきている.差別化サービスを提供するためには,システムの構成や運用法が必要であるが,同時に利用者の立場から考えたシステム設計が望まれている.つまり,利用者全体の効用を最大化してネットワークを有効利用できるような優先度の設定手法が必要である.そこで,利用者の主観評価から待ち時間などのサービス品質(Qos)と効用の関係を示し,ネットワークやその潜在トラヒックなどの条件が与えられた際に利用者全体の効用が最大となるような優先度設定手法の提案が課題となる. 優先制御を用いた検討では,優先度のポリシー設定が重要な鍵になる.例えば,利用者まかせで優先度を設定する場合,すべての利用者が優先度の高いクラスを選択する可能性があり,優先制御の効果が望めない危険性がある.その問題を解決するためには,配信するコンテンツに対する時間感度に応じた優先度を設け,配信側で優先制御することにより,利用者全体の効用を増加させることが可能である.具体的には,利用者の時間感度が潜在的に敏感になるコンテンツには高い優先度を設け,鈍感なコンテンツは優先度を低くして配信する.このような制御を行うことにより,利用者全体の効用を増加させることができる. 本年度はサービスに対するユーザの主観評価を行った.具体的には,待ち時間や画像などの品質に対する効用をアンケート調査や主観評価実験などにより測定し、心理学研究の手法を参考に多変量解析を用いて待ち時間感度に影響を与える要因を分析した。これらの結果より,コンテンツ属性と効用の関係を定量化し,映像と効用の関係を明らかにした.
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